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前所長“命令系統がムチャクチャ”7月6日 4時2分
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東京電力福島第一原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んできた、国会の事故調査委員会は、5日にまとめた報告書の中で、「指示命令系統がムチャクチャだった」などとする吉田昌郎前所長の証言を明らかにし、官邸の現場への介入が混乱を拡大したと批判しました。
国会の原発事故調査委員会は5日、報告書を取りまとめ、黒川委員長が横路衆議院議長と平田参議院議長に提出しました。
この中で、今回の事故は「自然災害」ではなく、明らかに「人災」であるとするとともに、総理大臣官邸の対応について、現場への直接的な介入が対応の重要な時間をむだにし、指揮命令系統の混乱を拡大したなどと指摘しました。
これに関連して、報告書では、原子炉の冷却のための海水注入を巡り、現場で指揮を執った吉田前所長が「本店が止めろというなら議論ができるが、全然、脇の官邸から電話がかかってきて、止めろというのは何だ。電話だから十分な議論ができない。指示命令系統がムチャクチャで、もう最後は自分の判断だと思った」などと証言していることを紹介し、官邸の現場への介入を批判しました。
一方、3号機の水素爆発のあと危機的な状況が迫っていた2号機への対応については、吉田前所長が「僕らのようなエンジニアが重機を使って、高い放射線量のがれきを片づけないといけないとはつくづく思ったが、本当に協力企業が、片づけも海水注入の準備も、僕が考えているよりもよほど短時間でやってくれた」と証言していることを明らかにし、こうした協力会社の対応がなければ、2号機はさらに厳しい状況に陥ったとも考えられると指摘しました。
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