元北秋田市議の自宅放火:被告、起訴内容認める−−裁判員裁判初公判 /秋田
毎日新聞 2012年07月04日 地方版
自宅などに火をつけたとして現住建造物放火罪などに問われている北秋田市綴子、元同市議、武藤忠孝被告(72)の裁判員裁判の初公判が3日、秋田地裁(福士利博裁判長)であった。武藤被告は「(間違い)ありません」と起訴内容を認めた。判決は6日。
冒頭陳述で検察側は、同被告は経営する林業会社を維持するために6000万円以上の借金をしていたと指摘。返済のため、他人による放火を装い、自宅にかけた火災保険金を手に入れようとしたと述べた。他人が放火したように見せかけるため、自宅のほか近くの親類宅など2軒にも放火したとし、蚊取り線香やマッチなどで作った時限発火装置を使い、ガソリン入りペットボトルなどを置いて火をつけたとした。
弁護側は、親類の家は燃えず未遂に終わったことや、けが人は出なかったことなどを訴えた。4日は被告人質問などがある。
起訴状などによると、武藤被告は昨年9月27日午後4時半ごろから、木造2階建ての自宅など計3軒の建物に火を放ち、住居と棟続きの倉庫の2階部分(計124・33平方メートル)を焼いたとしている。【田原翔一】