高金利ローンを扱うノンバンク、貸金業者から受けた融資を返済できず、裁判所による競売にかけられる住宅物件が増えている。銀行から融資を受けられない庶民が高金利ローンに手を出し、利払いに行き詰まり、担保の住宅が競売にかけられるという悪循環だ。
不動産競売情報業者の「不動産テイン」によると、今年上半期に貯蓄銀行、保険会社などノンバンクによる競売申し立てがあったマンションは2517戸で、銀行による競売物件(2242件)を12.27%(275件)上回った。ノンバンクによる競売申し立ては、2010年に銀行を上回って以降、その差が広がり続けている。
競売を申し立てた債権者の内訳は、貯蓄銀行が830件で最も多く、セマウル金庫(561件)、リース金融会社(337件)、保険会社(362件)の順だった。貸金業者による競売申し立ては、2007年にはゼロだったが、昨年は7件、今年上半期には10件あった。
ノンバンクによるマンション競売申し立て件数が増加しているのは、長期化する景気低迷で、市中銀行から融資を受けられない庶民が高金利の貯蓄銀行などから融資を受け、家計のやりくりがつかなくなったためとみられる。
不動産テインの担当者は「最近の住宅景気低迷で、競売による落札価格も低下しており、担保を処分しても、債務者が信用不良者に転落することが避けられないケースもある」と指摘した。