経済の死角

民主も自民もついでに財界もこうしてぶっ潰す 橋下徹 反乱軍を鎮圧する

2012年07月04日(水) 週刊現代
週刊現代
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 消費増税で永田町が混乱するのと同時に、橋下叩きが激化している。増税、原発再稼働・・・・・・「腐った統治システムの破壊者」を自任する橋下氏が潰れて笑うのは誰か。〝反乱軍〟の背後に敵の正体が見える。

制御不能の人間兵器

「橋下さんは国政に出ると言ってるでしょ。調子に乗るなと言いたいわ」

 永田町の政界が、消費増税問題で大揺れする中、その動向に再び注目が集まっているのが、橋下徹・大阪市長だ。内紛状態の民主党は、もはや党としての体を成しておらず、分裂・消滅は秒読み段階にある。

 もし、近い未来に解散・総選挙が行われた場合、橋下氏はどんな決断を下し、行動するのか。中央の動揺が大きくなればなるほど、同氏の存在感は増していく。ところが、そんな大阪市長に、冒頭のように「ダメ出し」をするのは、三起商行(ミキハウス)社長の木村皓一氏である。

 木村氏は'08年の大阪府知事選で橋下氏を擁立、その後も「経済人・大阪維新の会」の副会長として支援を続けてきた。橋下氏にとっては恩人というべき人物の一人であり、同時に財界ブレーンの一人でもある。

 そんな木村氏が、橋下氏に対して公然と苦言を呈している。

「橋下さんは大阪都構想などについては、期待通りの働きをしてくれていると思います。しかし、誤算がありました。いつのまにか府市の顧問団とやらを50人くらい集めてしまって。

 原発反対派で、経産省の言うことには何でも反対の古賀茂明氏が筆頭です。原発反対、節電と言っても、それで大阪はどうするのですか、と。経営者にクビくくれと言いたいのですか。

 原発は危険というけど、(原発が稼働した)この50年で、交通事故で100万人以上が死んでるわけです。原発でそんなに死にましたか?橋下さんは、ただ単に注目を浴びたいだけだと思いますよ。実際、大停電が起きたら誰が責任取るのかと言いたいですわ」

 なぜ原発の再稼働に反対したのか。大阪の産業を守る気はないのか。過度の節電や不意の大停電で一般市民に犠牲が出たら、橋下市長はどうするつもりか---。ここ最近、各所で噴出している批判の声だ。

 当の橋下氏自身が停電の可能性を完全に否定できず、容認に転じたのだから、いかにも、もっともに聞こえる。だが、そうした理屈は、決して本質を語っているわけではない。前出の「経済人・大阪維新の会」関係者の一人は、こんな〝ホンネ〟を漏らしている。

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