国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、事故の原因や対応の改善策などを盛り込んだ最終報告書を決定し、衆参両院の議長に提出した。午後に公表する。報告書は首相官邸の対応について「発電所への直接的な介入は指揮命令系統の混乱を拡大する結果となった」と明記。当時の菅直人首相らの初動対応を批判している。
報告書は菅氏について「首相は緊急事態宣言の発出がすべての事故対応の前提になることを十分理解していなかった」と指摘。「何度も事前に対策をたてるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は自然災害ではなく、あきらかに人災だ」と結論づけた。「被害を最小化できなかった最大の原因は官邸および規制当局を含めた危機管理体制が機能しなかったこと、そして緊急時対応で事業者の責任、政府の責任の境界があいまいだったことにある」とした。
当時の清水正孝・東電社長らが政府に福島第1原発からの「全面撤退」を求めたとされる問題でも「東電が全面撤退を決定した形跡はない」と明記した。
政府に危機管理体制の見直しや規制当局への国会の監視など7項目の提言を盛り込んだ。
同日の委員会で、黒川委員長は「短期間だが徹底した調査、検証を行ってきた。報告書の提言を着実に実行し、不断の改革の努力を尽くすことが、国会や国民一人ひとりの使命だ」と述べた。
先月9日に発表した論点整理では、菅氏らが現地の発電所内と直接連絡をとった経緯などを挙げて官邸が「事故対応に過剰介入したのではないか」と指摘した。報告書でも、事故発生後の菅氏らの言動が初動対応での混乱に拍車をかけたとの見解を示した。
国会事故調は昨年12月から調査を進めてきた。これまでに菅氏や当時の官房長官だった枝野幸男経済産業相、経産相だった海江田万里氏と、東電の勝俣恒久前会長(当時会長)、清水氏らを公開で聴取。菅氏らの聴取決定まで時間がかかったことから、当初予定していた6月中の報告書提出は7月にずれ込んだ。
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