鮮烈にHKT48劇場デビューを飾った指原莉乃(左)。Wセンターを務める兒玉遥と息もぴったり、手をつないで熱唱した =福岡市中央区(撮影・榎本雅弘)【拡大】
指原がついに新天地の博多へやって来た。
恒例の自己紹介。兒玉に「本日から指原莉乃さんをお迎えしました」と紹介されると、「よろしくお願いします」とぺこぺこ。「本日からHKT48劇場に立たせていただくことになりました」とあいさつした。
「さっしー!」
300人の歓声を一身に浴びると、「AK…」と緊張のあまり古巣を言いかけたのはご愛きょう。「HKT48のメンバーとして一刻でも早く認めてもらえるように頑張ります」と活躍を誓った。
指原は選抜総選挙で4位に大躍進した栄光もつかの間、6月14日発売の「週刊文春」でAKB加入後の恋愛スキャンダルが噴出。恋愛禁止の“鉄の掟”に触れたため総合プロデューサーの秋元康氏(56)からHKTへの移籍を命じられた。
初公演に向けては移籍決定後から多忙な仕事の合間を縫い、HKT公演の映像などを見て自主練習。本番前のリハーサルで初めて全員とふりを合わせたが、兒玉とWセンターを務め、年下ばかりのメンバーと息もぴったりに17曲を熱演した。
存在感は別格だった。HKT劇場前には昨年11月の同劇場オープン時の倍以上にあたる78社からお祝いの花輪がズラリ。また、所属先がチームHに決定し、16人が通常のAKBグループでは異例の17人体制を敷く“指原シフト”に。さらに、早くも福岡ローカルの情報番組2本のレギュラーも決まった。
周囲の期待や注目とは裏腹に、へたれキャラは博多でも健在。兒玉が「さっしーと呼べません」と懇願すると、「呼んでくださいよ」と遠慮がちに敬語で要求し、「へたれキャラは維持します」と明言した。それでも最年長の自覚を見せ、「お局キャラを受け止めたい」と笑いを誘った。
終演後には「気付いたらババアキャラになっちゃった」とおどけながら、「平均年齢を上げた分、大人っぽいところを見せたい。ここから、また新たな気持ちで出発できます」と笑顔。
続けて「AKBには未練がないとは言い切れないけど、HKTをAKBのチームAと同じくらい大好きになりたい」。そう言って、まっすぐと前を向いた。客席では秋元氏が笑顔で見守っていた。
(紙面から)