最終更新: 2012/07/06 06:21

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滋賀・大津市いじめ問題 アンケート回答に「先生も見ぬふり」

滋賀・大津市で、いじめを受けていた中学2年生の男子生徒が飛び降り自殺した問題で、「先生も見て見ぬふり」をしていたことがわかった。この問題をめぐっては5日、大阪市の橋下市長も会見で触れ、声を詰まらせた。
2011年10月、自宅マンションから飛び降りた中学2年の男子生徒に関し、滋賀・大津市の教育委員会側が行ったアンケート調査の詳細が明らかになった。
教育委員会は4日、「自殺の練習をさせられていた」などと15人の生徒が回答していた事実を把握していながら、公表しなかったことについて、「確認ができなかったため」と説明した。
しかし、2011年11月7いたことについて回答した生徒は「15人」にのぼっていると記されている。
このほかにも、「もう、俺死ぬわ」という男子生徒のメールに、「死ねばいいや」と送り返していたなど、具体的なやり取りまで回答している生徒もいた。
さらに、「先生に相談したけど、何もしてくれなかった」、「一度、先生は注意したけど、そのあとは一緒に笑っていた」、「先生も見て見ぬふり」などと、教師がいじめを把握していながら、放置していた可能性を示す回答が、少なくとも14人分あったことがわかった。
教育委員会側は、男子生徒がいじめを受けていた事実は認めつつも、いじめと自殺との因果関係はわからないとし、裁判で争う姿勢を見せている。
なぜ、これほど多くのいじめに関する回答が寄せられているにもかかわらず、自殺とは結びつけられないという説明に終始するのか。
教育評論家の尾木直樹氏は「(いじめを)認めると、なぜ困るかというと、今、学校の評価制度が非常に徹底していて、校長先生の評価が落ちてしまう。教育委員会も議会で追及されて、評価が落ちてしまうということ」と指摘した。
尾木氏は、今回の学校や教育委員会側の対応を厳しく批判している。
尾木氏は「(過去の)教訓が全く生かされていない。いじめの悲劇の中で、史上最悪だと思います。ある意味、殺人事件に近いような、悪質さを持っていると思う」と語った。
さらに、警察の対応にも疑問符が。
男子生徒が自殺したあと、両親が「暴行の事実がある」として、3度にわたって被害届を提出しようとしたところ、これを拒否されていたことが新たにわかった。
この警察の対応について、元東京地検公安部長の若狭 勝弁護士は「暴行を認定するに必要なのは、暴行を受けた被害者の供述、話が一番大きいんです。暴行を受けた人が亡くなり、火葬されているとなると、被害届は受けないのが普通だとは思います」と語った。
若狭弁護士は、被害届を受理しなかった警察の対応に一定の理解を示しつつ、「今回、アンケート結果が公にされたことで、警察も、場合によっては、問題意識を持つ可能性はあると思う。問題意識を警察が持てば、関係者から聴取するということは、あり得ると思う」と述べた。
男子生徒の自殺問題については、大阪市の橋下市長も、5日の会見で触れた。
橋下市長は「本当に、子どものことを考えたら、くやしいだろうし...。しっかり、行政としてやらないといけないですね。もうちょっと早く、気づいてあげられなかったのかと思いますが」と声を詰まらせながら、語った。
男子生徒は、自宅マンションの高層階から飛び降りた。
登校の時間帯で、その場からは通っていた中学校が見渡せた。
裁判所に提出した書類の中で、両親側は、男子生徒がこの場所を選んだ理由について、「自ら命を絶つという決心が重大な決断であることはいうまでもないことであり、その決断に至るには、さまざまな逡巡(しゅんじゅん)があるはずである。中学校や通学路から目撃される可能性のある時間と場所を選んだ理由は、自分をいじめた被告少年らや、いじめを知りつつ、救いの手を差し伸べてくれなかった教師らに、自分の死を見せつけようとしたに違いない」と記している。

(07/05 19:14)


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