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事件
【原発事故】「明らかに人災」 国会事故調の報告書要旨
2012.7.6 00:16
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ただし、(1)発電所の現場は全面退避を一切考えていなかったこと(2)東電本店でも退避基準の検討は進められていたが、全面退避が決定された形跡はなく、東電社長が官邸に呼ばれる前に確定した退避計画も緊急対応メンバーを残して退避するといった内容であったこと-などから判断して、首相によって東電の全員撤退が阻止されたと理解することはできない。
【被害拡大の要因】
事故発災当時、政府から自治体に対する連絡が遅れたばかりではなく、その深刻さも伝えられなかった。
同じように避難を余儀なくされた地域でも、原発からの距離によって事故情報の伝達速度に大きな差が生じた。着の身着のままの避難、多数回の避難移動、あるいは線量の高い地域への移動が続出した。
その後の長期にわたる屋内避難指示や自主避難指示での混乱、線量の高い地域に避難した住民の被(ひ)曝(ばく)、4月まで避難指示が出されず放置された地域など避難施策は混乱した。規制当局の原子力防災対策への怠慢と、当時の官邸、規制当局の危機管理意識の低さが、住民避難の混乱の根底にあり、官邸と規制当局の危機管理体制は機能しなかった。
【住民の被害状況】
被害を受けた広範囲の多くの住民は、不必要な被曝を経験した。また、避難のための移動が原因と思われる死亡者も発生した。
1万人を超す住民アンケートには、いまだに進まない政府の対応に厳しい声が多数寄せられている。
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