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【将棋・棋聖戦】新記録、羽生棋聖の強みは気持ちの切り替え
2012.7.5 19:22
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ライバルとされる谷川浩司九段(50)は「羽生さんは好奇心旺盛で、新しい発見を楽しいと感じているのでは」と、強さの秘密を推測する。事実、羽生棋聖は将棋の魅力について「将棋盤は81マスですけど、いくらやっても分からないことが次々と出てきて、これで終わりということはありません」と話している。今年3月、東京都内で行った講演会では、「プロ棋士は小さいころから同じように将棋に取り組んできているからそんなに実力に差はない。ほんのちょっとしたことが積み重なった結果(がタイトルの蓄積につながったの)だと思う」と自己分析していた。
将棋の戦法は多様に枝分かれして、現代では枝ごとに事前の研究合戦になっている。きょう指された新手はネットなどで瞬時にほかの棋士にも知れ渡り、徹底的に解剖されて対策が立てられる。日々進歩する将棋に「ついて行けるか否かが分かれ目」という。
大山十五世名人の時代は今ほど情報化が進んでおらず、実戦で新手や新しい戦法が出ればそこから対策の研究がスタートした。ところが今は、実戦の前から始まっている。中原誠十六世名人(64)は「羽生さんはオールラウンドプレーヤーだから相手の得意戦法から逃げないし、どんな戦形でも指せる」と話した。
今後は羽生棋聖が記録をどこまで伸ばすかに焦点がうつる。羽生棋聖は昭和63年から平成3年にかけ、大山十五世名人と8局対戦し、5勝を挙げている。谷川九段は「大山先生のすごいところは、戦争で20代後半、将棋から一時離れたが、40~50代で強さを発揮された。それから見ると、41歳の羽生さんの81期は通過点でしかなく、通算100期の大台もあるかもしれない」と期待を込めた。
(藤田昌俊)
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