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【将棋・棋聖戦】新記録、羽生棋聖の強みは気持ちの切り替え
2012.7.5 19:22
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大山康晴十五世名人の大記録を抜き、単独トップとなった羽生善治棋聖の強みは、気持ちの切り替えのうまさにある。「済んだことは仕方ない」と、負けたことをきっちり整理して次の一局に臨む。
対局前日の4日朝は、普段通りのすがすがしい表情で東京・羽田空港に現れた。対局地の島根県に移動するためだ。同じ搭乗口にいた挑戦者の中村太地六段は、疲れをみせないその姿に「羽生先生はこの1週間に4局も指されたんですよね」と驚いていた。
19歳で当時の史上最年少記録となった竜王を獲得。その後数カ月間、無冠の時期があったが、ほとんどの間で複数のタイトルを保持してきた。印象的だったのは平成8年2月の王将戦。高熱を出した状態で対局に臨んだが、全7冠を制覇した。史上初の快挙。タイトル戦では各地を転々とするが、「今日は自分がどこにいるのか分からないという状況でした」と振り返った。
無冠の危機にひんしたのが16年の名人戦。竜王・王将・名人を森内俊之挑戦者(41)に次々と奪われ、王座だけに。「羽生絶不調」と報道されたが、羽生棋聖自身は「いつも勝てるわけではないので、力をためてチャンスを待ちます」と冷静だった。1年後には再び4冠に。気持ちの切り替えがうまい羽生棋聖の面目躍如の出来事だった。
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