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茨城 水揚げの魚その場で検査
7月5日 0時53分

茨城 水揚げの魚その場で検査
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原発事故によって、今も漁業への影響が続く茨城県北茨城市の漁港で、消費者の安心につなげようと、水揚げされた魚に含まれる放射性物質をその場で検査する実験が4日から始まりました。
今後は、出荷前のすべての魚の検査も検討するということです。

この実験は、北茨城市の大津漁協などが市の補助金や企業の支援を受けて始めました。
実験は、市内の大津漁港で始まり、放射性物質の検査機器の開発を担当した東京大学の中川聰特任教授らが漁協や市の担当者に機器の特徴や取り扱い方を説明しました。
このあと漁港の建物の中で、箱に同じ種類の魚を敷き詰めてベルトコンベアに載せ、検査機器の下を通して数値を測定しました。
魚1キログラムに含まれる放射性セシウムの量を最短で10秒ほどで計測でき、4日は試験的に水揚げされたシラスなどが検査を受けました。
魚の放射性物質の検査は30分ほど時間がかかるうえに、魚を細かく切り刻んで測定機器にかける手間もかかり、検査できる量が限られていましたが、この機器を使えば、水揚げされた魚をその場で短時間で検査できます。
大津漁協などは、今後、週に数回程度、調査用の漁で捕れた魚などを使って実験を行い、測定の精度を検証したうえで、今後は出荷前のすべての魚の検査を検討するということです。
茨城県は放射性物質が検出された魚について、ことし3月、国の基準より厳しい独自の水揚げ規制を導入しましたが、東京の築地市場などでは、原発事故のあと下がった値段がなかなか回復せず、今も茨城産の魚が敬遠される状態が続いているということです。
大津漁協の鈴木将之組合長は、「出荷するすべての魚を調べることで、消費者の安心につながることを期待します」と話していました。

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