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事故調“規制当局は事業者の虜”
7月5日 15時59分

国会の事故調査委員会は、原子力安全・保安院など国の規制当局に対して、「専門性の欠如などから、事業者の虜(とりこ)となり、事業者の利益を図ると同時にみずからの責任を回避してきた」と厳しく批判しました。

国会の事故調査委員会は、規制当局が、原子力の安全を監督する立場にありながら、電力会社で作る電気事業連合会による働きかけによって、安全性に疑いが生じるような基準の採用を必要なものでも見送ってきたと指摘しています。
また、規制当局も事業者も「もともと原発の安全は確保されている」という立場に立っていて、安全性に疑いが生じるような内容について、非公開の場ですり合わせるなど、透明性が確保されていたとは言い難いとしました。
さらに規制当局の方が事業者に比べ専門性に乏しいことから、基準について事業者側の提案を受け入れるといった方法がとられることもあり、規制当局の独立性も疑わしいと指摘しました。
そのうえで、規制当局と事業者の関係は、必要な透明性と独立性が確保されることはなく、まさに「虜(とりこ)の構造」といえる不健全な関係だったと厳しく批判しました。
ほかにも国会の事故調査委員会は「規制当局は原子力の推進官庁からの独立性も形骸化し、その能力においても国民の安全を守るには程遠いレベルだった」と指摘しました。
そのうえで「規制当局は組織を変えるだけでなく、実態を抜本的に転換しないかぎり国民の安全は守られず、変化に対応し、継続的に自己改革を続けていく姿勢が必要である」と結論づけています。

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