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“SPEEDI 正確性持たない”
7月5日 20時8分

原発事故の際に放射性物質の広がりを、気象情報などを元に予測する「SPEEDI(スピーディー)」と呼ばれるシステムについて、国会の事故調査委員会は、予測に用いる気象情報の精度に限界があるなどとして、「初動の避難の根拠にできるほど正確性を持つものではない」という見解を示しました。

福島第一原発の事故では、SPEEDIの計算の前提となる放射性物質の放出源の情報が地震の影響で得られず、政府は震災当日から予測を計算していたにもかかわらず、一部を除いて1か月後以上公表していません。
このSPEEDIについて国会の事故調査委員会は「予測に用いる気象情報の精度に限界があり、雨や雪といった刻々と変わる気象情報を反映させて避難の指示を決定するには現実的に困難である」と評価しました。
そのうえで特に放出源の情報が得られない場合には、「初動の避難区域の設定の根拠にできるほど正確性を持つものではない」とという見解を示しました。
また、政府の対応に対して、「SPEEDIの機能について十分な説明を行わなかったため『避難指示に有効活用できる』という誤解と混乱を住民に持たせた」として、問題があったと指摘しています。SPEEDIを巡っては、すでに報告書をまとめたそれぞれの事故調査の委員会で評価が異なっていて、政府の事故調査・検証委員会は「今回の原発事故で仮にデータが提供されていれば自治体や住民は、より適切な避難経路を選ぶことができた」としたほか、民間の事故調査委員会も「住民の被ばくの可能性を低減するため、最大限活用する姿勢が必要だった」としています。

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