大飯原発3号機 発電を開始7月5日 7時9分
およそ1年3か月ぶりに原子炉が起動し「臨界」に達した福井県の大飯原子力発電所3号機で、関西電力は、5日午前7時に発電機と送電設備をつなぎ発電を開始しました。
国内の原発は、50基すべてが運転を停止していたため、原発の発電は2か月ぶりです。
福井県おおい町にある大飯原発3号機では、今月1日、およそ1年3か月ぶりに原子炉が起動し、2日朝、核分裂が連続して起こる「臨界」に達しました。
関西電力は、大飯原発3号機で、原子炉の熱で発生させた蒸気でタービンを回転させバランスをとる作業を4日午後までに終え、5日午前7時に発電機と送電設備をつなぎ、発電を開始しました。
大飯原発3号機では、5日午前中、発電した電気の出力を15%程度に上昇させ、今後、出力を段階的に引き上げて、今月9日には100%のフル稼働になる見通しだということです。
発電開始の作業に立ち会った牧野経済産業副大臣は「病院や公共交通機関などに安定したエネルギーの供給ができるようになりよかった。
今後も安全第一で取り組んでいきたい」と話していました。
国内の原発は、ことし5月から50基すべてが運転を停止していたため、原発の発電は2か月ぶりです。
関西電力管内では、夏の節電が今月2日から始まっていますが、大飯原発3号機がフル稼働すれば猛暑だったおととしと比べて15%以上という節電の目標は10%以上に緩和されるということです。
“特別な監視体制しっかり働いている”
藤村官房長官は記者会見で、「予定どおり作業と手続きが進んだ。
そして特別な監視体制がしっかり働いていると受け止めている。
安全性については、政治判断をしたわけではなく、専門的な判断をいただいたうえで、電力需給なども検討した結果、今回の再稼働にいたった」と述べました。
そのうえで藤村長官は「大飯原発3号機は、週明けの9日にフル稼働になる見通しだ。
その時点で、関西電力管内の節電目標の改定について改めて発表したい。
すでに10%という数字も出ている」と述べました。
橋下市長“地元の皆さんに感謝”
福井県の大飯原子力発電所3号機で発電が開始されたことについて、大阪市の橋下市長は「福井の地元の皆さんには正直感謝している。
大阪府の調査で、バックアップの電源を持っていない病院があるなど、計画停電のリスクが明らかになっているので、おおい町の皆さんには感謝しなければならない」と述べました。
また、京都府の山田知事は「高齢者や病気の方、それに中小企業に大変な影響が出かねず、関西電力は地域で独占的に電力供給を行っている責任をしっかりと果たしてほしい」と述べて、関西電力に対して安定的な電力供給に全力を挙げるよう求めるました。
そのうえで山田知事は「安全対策についてまだ途中の部分がある。
われわれも原子力の専門家などを派遣して、安全対策が進んでいるかチェックしていきたい」と述べました。
|
[関連リンク] |
|