一、 |
旧会則にはない前文で、牧口常三郎初代会長と戸田城聖第二代会長について述べたあと、
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池田大作第三代会長は、日本のみならず世界に日蓮大聖人の仏法を弘通し、更に仏法の理念を平和・文化・教育などの分野に展開して、仏教史上初めて世界広宣流布の道をひらいたのである。
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として、「三代会長」を「永遠の規範」とうたっている。日蓮宗はちょうど百年前から海外開教に着手して7ヶ国に23拠点をもち、日本山妙法寺は85年前から海外開教して7ヶ国に17仏舎利塔を建て反戦平和を訴えている。72年前設立の創価学会が初めて世界広宣流布の道をひらいた、のではない。
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二、 |
教義については、旧会則の、
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日蓮正宗の教義に基づき、日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、日蓮正宗総本山大石寺に安置せられている弘安2年10月12日の本門戒壇の大御本尊を根本とする。
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を削除し、新会則で、
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日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、一閻浮提総与・三大秘法の大御本尊を信受し、日蓮大聖人の御書を根本として、日蓮大聖人の御遺命たる一閻浮提広宣流布を実現することを大願とする。
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と変更した。このすぐ後に、「三代会長」に関する一条を新設し、
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牧口常三郎初代会長と、戸田城聖第二代会長、池田大作第三代会長の「三代会長」は、広宣流布実規への死身弘法の体現者であり、この会の永遠の指導者である。
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とうたっている。歴代三会長をあげているが、現在生きているのは池田氏。とすれば、池田氏を永遠の指導者とするわけで、名誉会長・SGI会長どころではない「教祖」の誕生である。両雄並び立たずと言うことか、教団内教団という内棲型宗教であった創価学会は、自前の教祖をもって教権をにぎり、日蓮正宗法主の膝下を離れたが、教義は、いまだに日蓮正宗のそれを借りている。
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三、 |
人事については、「三代会長」−実際には池田大作氏−を別格とし、場合によっては置かれる「名誉会長」がいて、
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会長は、この会を統理する。
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とうたう通り、「会長」がいて、その下に「理事長」「副理事長」「副会長」がいる。
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理事長は、宗教法人「創価学会」の代表役員を兼務する。
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とある「理事長」は、会長が任命する。創価学会は、宗教法人創価学会代表役員である理事長の上に会長がいて、その会長の上に池田大作氏がいるという組織である。会長・理事長・副理事長・副会長は、総務の中から選ばれるが、その総務は、
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信仰経験、人格、識見、指導力、教学力ともに優れた会員の中から、参議会の諮問を経て、総務会の議決により翠出し、これに基づき会長が任命する。
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となっていて、最初の総務はどうやって選出したのか、選挙等の互選のことも書かれていないし、わかりにくい。もっとわかりにくいのは、
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この会に、三代会長の学会精神を厳正に保持し、深化・継承していくため、最高指導会議を置く。
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と規定しているが、最高指導会議員若干名をどうやって任命するのかが不明である。これを、永遠の指導者池田大作氏が直接間接に指名しているとしたら、言わずもがなである。
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四、 |
注目すべき点として、
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この会に、社会問題についての見解ならびに国・地方白治体の選挙に関する対応を協議・決定する機関として、中央、方面、県の各本部にそれぞれ社会協議会を置く。
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と新たに書き加えられた社会協議会は、福祉関係の組織と紛らわしい名称だが、ずばり選挙対策のための組織である。政教一致でどこが悪い、といっているように読める。
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五、 |
もうひとつ注目すべき点として、
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この会は、この会と教義、目的を共通にする世界各国の団体からなる国際的機構として、創価学会インターナショナルを設置する。
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と、初めて創価学会インターナショナル(SGI)を明記したことである。平成7年制定のSGI憲章には、SGIを創価学会海外支部とはうたっていないが、実態は創価学会海外支部といえる。ここでも、この辺を暖昧にしたまま規定している。SGI会長は、池田大作氏である。これで池田大作氏は、名実共に創価学会全組織の頂点にたった。
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六、 |
会則の最後に補則として、
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この会則は、この会およびその運営に関する基本的事項を定めるものであり、この会の会務のうち法人の運営について定める宗教法人法に基づく宗教法人「創価学会」規則と相俟って、この会の基本的な規範となるものである。
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と書かれている宗教法人「創価学会」規則について、以下、みてみたい。
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