勝栄二郎「財務次官」退任で、「古谷次官」誕生か?
2012年7月3日 リベラルタイム
財務省の勝栄二郎事務次官は今年七月で就任二年になる。一時は、次官在任三年説まで飛び出したが、本人は通常国会閉会後に退官する意向を固めたようだ。
勝次官が三年務めるといわれた背景はこうだ。財務相だった野田佳彦氏が首相になり、社会保障と税の一体改革を「不退転の決意でやりぬく」と表明した。財務省にとっては願ったりかなったり。消費税増税は極めて困難なため、法案が成立するのに時間がかかるのではないかと考え、在任二年では法案成立は難しいと考えた勝次官は、消費税増税成立まで首相のそばで支えようとして、在任三年説が出てきたようだ。
しかし、民主、自民、公明三党による修正協議が合意に達し、成立の見通しが高まったため、退官しても問題はないと勝次官自身が考え始めたといわれている。さらに、野田内閣のことを「直勝内閣」等と揶揄され、野田首相は財務省のいいなりという見方が広がったことも、勝次官が退官を決意するきっかけになったようだ。
財務省は、野田内閣が財務省のいいなりという報道に神経質になり、何社かの新聞社に抗議したほどである。財務省には、官僚は表に出てはいけないという美学がある。常に陰で支えるものだというものだ。これまでにも、財務省が何かを牛耳っているといわれたことは、ほとんどない。それだけに気になっていたのではないか。
勝氏の次の次官は、順当にいけば真砂靖主計局長だが、消費税増税の行方がまだ不透明なことから、真砂氏が事務次官就任までのつなぎとして、古谷一之主税局長が、一年間次官を務めるのではないかとの観測もある。
リベラルタイム8月号 confidential
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