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国会事故調 “明らかに人災”
7月5日 14時16分

東京電力福島第一原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んできた国会の原発事故調査委員会は、5日、当時の総理大臣官邸による発電所の現場への直接的な介入が指揮命令系統の混乱を拡大する結果となったなどと指摘したうえで、今回の事故は「自然災害」ではなく明らかに「人災」であるなどとした報告書をまとめ、衆参両院の議長に提出しました。

国会の原発事故調査委員会は、5日、国会内で20回目の委員会を開き、委員全員が報告書の内容を了承し、641ページに及ぶ報告書を取りまとめました。
この中では、事故当時の総理大臣官邸の対応について、発電所の現場への直接的な介入が現場対応の重要な時間をむだにするだけでなく、指揮命令系統の混乱を拡大する結果となったなどと指摘しています。
そして、何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく明らかに「人災」であるなどとしています。
また、国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で国会に原子力の問題に関する常設の委員会を設置すべきだと提言しています。
黒川委員長は、横路衆議院議長と平田参議院議長に報告書を提出し「国会における民間人による調査委員会という憲政史上、初の試みを確かなものとするためにも、報告書を原子力に関する立法や監視機能の充実、強化に資するようにしてもらいたい。この報告書が、避難をしている皆さんの将来と日本の未来に少しでも役に立つよう願う」と述べました。
これに対し、横路議長は「限られた時間の中で、精力的に活動していただき感謝申し上げる。報告書を精査して、政府に対し申し上げるべきことは申し上げ、これからの日本のエネルギー政策や原子力発電所をどうするのかという国会の論議に有効に活用したい」と述べました。

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