「高順様、兵の準備は整いました」
群青色の軽鎧を纏った兵が膝まずき、眼前に仁王立ちをしている同じく群青色の鎧をまとって仁王立ちをしている男に報告をする。
「分かった。隊員全員に合図と共に出ると伝えろ」
「ハッ!」
ここは汜水関。鎧の男高順は鞘に収まっている倭刀を腰にさすと倒していた自らの軍旗を汜水関の眼前にいる反董卓連合軍に見えるように大きく掲げた。
「我が名は高順! 我らは悪をもって善を成す! さあ、我らという「悪」を打ち倒し、己の善を証明してみせろ! 正義が勝つのではない! 勝ったものが正義だ!」
董卓軍が将高順。「悪」の文字を掲げ自らを「悪」とし、主のためにその身を闇に沈める男。主の善性を肯定するために自らを「悪」とする者。
「高順様! 華雄将軍が出撃しました!」
「なら、こちらも出る。遅れるな」
後の世で「悪」を一身に背負う「稀代の大悪人」にして、主の善性を肯定する「反英雄」と称された男の物語が始まる。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。