歌舞伎俳優の二代目市川猿翁さん(72)が4日、東京・新橋演舞場で始まった「七月大歌舞伎」の「楼門五三桐」に出演し、約8年半ぶりに演技を見せた。
猿翁さんは三代目市川猿之助時代の2003年、脳梗塞の初期症状と診断され、翌04年2月の公演を最後に、療養を続けていた。今年6月、猿之助の名跡をおいに譲り、二代目猿翁を襲名。披露公演の「口上」で舞台復帰した。
7月公演では「楼門五三桐」に、羽柴秀吉をモデルにした真柴久吉役で出演。市川海老蔵さん演じる大泥棒石川五右衛門と南禅寺の山門で対峙する場面を見せた。約15分の演目で、終盤に猿翁さんが登場すると、せりふのたびに大きな拍手が湧いた。