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連続投稿第一話、よろしくお願いします。てか話進まね~。
第一話なのだろうか?
「ママ?これ何?」

「あら伸君、それはパパの大事なご本だから勝手に取ってったらめっよ」

「うぅ~」

 はい現在絶賛赤ん坊中です、この間晴れて三歳になりました。まだ拙いですが歩く事も出来ますので、これでやっと一人でトイレに行けるようになりました。え?一歳や二歳はどうしたかって?赤ん坊の生活なんぞ聞きたいか君達は?俺は話したくない、これはかなりの羞恥刑だぞ………マジで。

 とまあそんなこんなで、今は何をしているのかと言うと、子供ようの絵本には飽きたのでテーブルに乗っていた親父の物であろう書類を読んでいた。
その書類とは『インテリジェントデバイスAIの役割と機能による利便性』
 中身を読んだが………サッパリ判らん。
 まあ今のを聞いた人は判ると思うが、俺あの世界に転生したらしい、そうあの『魔法少女リリカルなのは』の世界に。
 最初はマジで絶望したよ。俺の母親は魔導師らしい、と言うのも今は育児休暇的な物で休んでいるらしい。しかも管理局っぽい。………とても将来が不安です。
 父親の方は技術屋でデバイスの開発や整備をしているらしい。なんでもそこそこ有名だとか。まあよくは知らないが。
 とまあそんなわけでいまはこの世界で赤ん坊をしている訳だが………これがかなり暇だ。ハッキリ言って暇すぎる。
 なので、たまに親父やお袋の本を勝手に持ち出して張れないよう隠れてたり親が居ないときなどに読んでいる。まあ最初は小説等を読んでいたんだが、つい最近はたまたまテーブルの上に置いてあった『デバイス制作の助け(初級編)』を読んでみたのだがこれがどう言う訳かスラスラ頭に入ってくる。それに内容が面白い、今まで魔法なんて物はなかったから新鮮だった。まあさっき読んだのはまだ理解できなかったが、今から親に隠れてでもやって行けば五歳頃には初歩的な知識はつくだろう。
 いや~しかし、有難い事に今住んでいる所は海鳴りでは無い。ここはまったく知らない物語にも関係しない土地だろう。そこには大いに感謝した。
 いきなり物語の登場人物とエンカウントして死亡フラグおっ立てるとかなくて助かったぜ。なんせ俺はどこぞのチートオリ主じゃないからな。巻き込まれて死亡なんてごめんだぜ。
 でも一つ心配なのは母親の祖母が海鳴りに住んでる事だ。
 そう、そのせいでたまに海鳴りに遊びに行く事がある。今はまだ原作キャラ達とは会っていないがいつ鉢合わせるか判らない、はっきり言って気を抜けない。
 まあそんなそんな感じで今の所は平和な日々を送っている。

「伸君、お母さんこれからお買い物いくから伸君も一緒に行こう」

 ふむどうやら買い物の時間らしい。さて着いて行くか。

「うん」

 そう言って立ち上がり、お袋の方へ歩いて行く。
 しかし、自分の体ながら歩き難いな。
 手を広げて待っているお袋の元へ歩いて行く。この年(精神年齢は20歳)になってこれはかなり恥ずかしい。
 あ、因みに名前は崎月 伸樹。性は変わったが名は変わらなかった。まあ一々覚える必要が無いから楽でいいが。
 さて、考えながらも準備は終わった。さあ買い物に出発だ!




Sied 母

 最初はたんに珍しいから見ているのだと思った。しかし、毎回見かける度に何か違うと感じた。
 それは有る出来事で確信に変わった。
 ある日、買い物を終わらせた後にわざとテーブルの上に『デバイス制作の助け((初級編)』を置いて買い忘れた物があると言っていったん外にでて、音を立てずに家に入り伸樹のいる居間を覗いてみた。するとそこには、一心にデバイス制作の本を読む伸樹の姿があった。暫く様子を見ていると、何やらブツブツと喋っているのが判った。何を喋っているのかと耳を澄まして聞いてみる。

「デバイスとは、魔導師が魔法の使用の媒体や補助として用いる機械である。その用途によって専攻があり、一分野に特化した機種が幾つか存在している。現在確認されている機種は『インテリジェントデバイス』『アームドデバイス』『ストレージデバイス』『ユニゾンデバイス』、そして『ブーストデバイス』の計5種である。―――」

 伸樹の喋っている内容を聞いた時、本当に驚いた。いや、驚いたなんて簡単な言葉では表せられない程の衝撃だった。 たかだか三歳の赤ん坊が、仮にもデバイス制作の本を声に出して読んでいる。これは異常を通り越して異様だ。
 私はただ黙って見ているしかできなかった。

 しかし、ふと伸樹の様子がおかしな事に気が付いた。見ると、目を瞑り船を漕ぐように頭が揺れている。どうやら眠くなってしまったようだった。
 不覚にもその赤ん坊らしい仕草に安堵感を感じてしまった。よかった、伸樹はまだ赤ん坊なのだと。
 そう思いながら見ていると、どうやら完全に眠ってしまったらしい。いつの間にか床に横になり眠っていた。いけない、つい考え事をすると回りが見えなくなってしまう。
 このままでは眠った私の可愛い息子が風邪を引いてしまう。そう思いたつと直ぐに伸樹の所に向かった。

「ほら伸君、床で寝たらお風邪を引きますよ。ちゃんとお布団で寝んねしましょうね」

「ん~~」

 そう言いながらぐずる伸樹を抱き上げ布団のある部屋まで連れて行く。目を擦りながら空いたもう一つの手で確りと服を掴む伸樹を見ていると、先程まで見ていた物が嘘のように思える。
 こうして見る伸樹は年相応の可愛い子供だった。
 もしかしたら、伸樹は他の子より少し成長が早いのかも知れないし、それとはまた別の何かなのかも知れないが、今こうやって抱き上げている子供は、私の何よりも大切な我が子に代りはない。
 ただ、願わくばこの一緒にいられる愛しい時間が少しでも長く続きますように。布団の中で眠る愛しいその小さな存在を見つめ、私はそう考えていた。



つづく
どもあとがきっす。とは言っても何もありません。まあ質問などあればよろしくお願いします。
 ではまた次回でお会いしましょう。


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