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 特に有りませんがリリカル(?)な話です。よろしくお願いします。
プロローグなのだろうか?
 ちょっとそこの君。君はテンプレかつもう飽きられつつある転生モノを信じるだろうか?
 うむ、自分が何を言ってるのか、自分でもアホな話だとは思うよ。
 でも今俺は現実にそれを体験している。
 一つ言わせて欲しい。

「オンギャアアアアア!!(なんじゃこりゃああああ!?)」

 今俺はよく知らない女性に抱かれ、鳴いて(叫んで)いた。


 ――半日程前――


 何時もの様に学校から帰り、夕方の川の土手を歩いていた。
 学校は家から近いので徒歩で通っていた。
 何を隠そう俺は典型的な何処にでもいる高校生だ。
 顔も成績も運動神経も可もなく不可もなく。
 つまり何処にでもいて物語とかだと学生Aとかな奴だ。
 そんな俺だが、今少し悩んで居る事がある。それは今日の学校での事だった。
 休み時間の時に何気なく友達と話していた時だった。

「あ、そう言えばさ。昨日たまたまニュース見たんだけどさ、そのニュースで秋葉原の事やってたんだよね。あれ、メイドカフェってやつ?なんかさ、店に入るとメイドの恰好した女の子が『おかえりなさいませご主人様』とか言って迎えるやつ。いや~俺には判んね~わ、あれの何が良いンだか。マジでオタクって理解不能だし気持ち悪いよな」

 いきなりそんな話を始めた友達Aに俺は驚いて言葉が出なかった。
 そう、何を隠そう俺は隠れオタクなのだ!!

「おいおい、いきなりどうした?てかそれは個人の自由だし趣味の一つだろ?そこまで毛嫌いする必要あるか?まあ理解できないのわ同じだが」

 友達Bの言葉にハッと我に帰る俺。
 友達Aにお前はどう思うと聞かれ、その場は適当に当たり障りの無い返事をして難をしのいだ。

 そして今に戻る。しかし、そんなにオタクは駄目なのだろうか?
 確かに、空気を読めない奴や好き嫌い激しい奴とか多いがそれは回りが長い間オタクと言われる分類を邪険にして遠ざけて来た結果ではないだろうか?確かにオタクも合わせる努力は必要だが、それは一般人にも言えないだろうか?

 そんな事を考えていた俺は、いつの間にか川沿いの土手を越え家の近くの大通りにまで来ていた。
 気がつくと信号の手前。確認すると青信号なため、俺はそのまま渡り始めた。しかし、次の瞬間突然鳴り響いたクラクションに驚き右を向くと、もう数メートルまでに近づいたトラックが急ブレーキを掛けながら迫っていた。

(あ……俺死んだ)

 体は金縛りにあったように動かず、迫り来るトラックはまるでスローモーションの映像のようにゆっくりに感じた。
 そして次の瞬間、物凄い衝撃と何かが潰れる音と共に、俺の意識は落ちた。




Sied ???

 ふむ、いったいどうしたものか。困った事になった、本来は死ぬ程の事故ではなく骨折程度の事故になるはずなのだが、どこで間違ったのかその男は死んでしまった。
 そう、本当にどこで間違ったのだろうか、自転車との接触事故がトラックに衝突される大事故に変わっていた。
 まったくもって困った。こう言う仕事上の不備や事故は信用問題に繋がる。只でさえも回りから良い目では見られていないのに。
 議会ではこの男を転生させる事が決まったのだが…………。

「んぐ……が、ふが…………、ピザまん……ピザまんが攻めて」

 現在目の前で訳の判らん寝言を言っているこの男、えっと名前は…………向刀院 伸樹か。まったく暢気な男だ。
 目の前で眠りこけている男について考えていると、突然後ろから話しかける者が現れた。

「何じゃ?まだ転生させてないのか」

「………誰かと思えば、ゼウスか。何のようだ」

「いや、今度は何を企んでいるのかと思ってのう」

「何をしに来たかと思えばそんな事か、別に何も企んでなんていないさ」

「ほう、それはすまんのう。また前の男の様に物語の世界にでも飛ばすのかと思っていたのじゃが」

 ふむ、企みか………それも面白いな。だがしかし、前のあいつと違ってコイツには資質が無い。このまま送っても物語に関わった瞬間に死にそうだ。ならば、それなりの能力を与えてみるか。

「よしゼウスお前のその話し乗ってやる、だが何か会ったとき私だけ吊し上げられるのは納得できん。そこでお前もこの男に何か能力を与えろ」

「ふぉ!?まったくお主と言う奴は……。まあよいじゃろう、わしの一言でその気を起こさせてしまったようだしのう。それに少しばかり面白そうだしのう」

 それから、ゼウスとああだこうだやりながら男に能力を与えたのだが…………。

「のうハデス、これはちとやり過ぎたかのう?」

「………少しどころかかなりだな」

 ヤバイな、調子に乗って能力を与えすぎた。うむ、どうしたものか…………。 私が悩んでいるとゼウスが提案してきた。

「そうじゃ、制限をかけてみたらどうじゃろうか」

「ふむ、制限か………例えば?」

「そうじゃのう、最初から覚えているのではなく段階的に能力が開花していくようにするとか、併用して使える能力数を限定するとか、あとは組み合わせて使える能力を限定するとかかのう」

 ふむ、良さそうだな。

「よし、それで行こう。ならば此と此を組み合わせて………」

 よしできた、これでいいだろう。ふふふ、これはオマケだ。
 眠っている男に手を翳し、その手が光始め、その光が男を包み始める。暫くして光は男に飲み込まれるように消えて行った。

「お主、最後に何をしたんじゃ?」

「ふふ、ちょっとしたオマケをあげただけだよ【超鈍感】と【魅了】のスキルをね」

 せっかくだ、戦闘の能力だけではなんだ、こんな能力も面白いだろう。ふふふ、君がどんな事をしてくれるのか楽しみだよ、向刀院伸樹。

「おお、所でこの男はどの世界に送るんじゃ?」

「おや、まだ言ってなかったかい?この男が行くのは……。『魔法少女リリカルなのは』の世界さ」



つづく
 プロローグ的な何かでしたがどうでしたかね。まだ始まったばかりなのでどうとも言えないでしょうが。
 まあこれからも応援などしてもらえたら嬉しいです、ではまた次回。


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