第13話『種明かし』
高町なのはとユーノ・スクライア、海原光貴は既にこの次元航行艦アースラから帰宅している。
例の部屋にはリンディ・ハラオウン、垣根帝督、そして、送迎から帰還したクロノ・ハラオウン。 何故、垣根だけ残っているのかは、リンディもクロノも彼の能力について等を聞きたいと言ったら海原と高町とスクライア(善人共)が帰ったらという条件をだしたからだ。
ちなみに、学園都市のこと、脳を人工的に開発することで超能力を発現させるなどの"表"に関することは既に話した。
「…………で、君の要望通り、三人は帰した。…君のことについて話してくれるね?」
クロノが口を開く。
「ああ、いいぜ。まず、魔導士でない俺がどうやって封時結界の中に入れたのかだが、俺もよくわからんが、多分『AIM拡散力場』が関係してるんだと思うぜ」
「AIM拡散力場…?」「それは何?」
クロノとリンディが首を傾げる。
「俺みたいな能力者が無意識に放つエネルギーみたいなもんだ。推測だが、多分それが干渉して入れるようになったんだろうな」
「それで、何故君はあそこにいたんだ?何時からいたんだ?」
「ああ、そりゃ気になったからだ。あと、最初からだな。そもそも俺が学園都市から出てきた理由は調査を統括理事会から依頼されたからだし」
「調査?」
クロノが怪訝そうに聞く。
「ああ、海鳴市で原因不明で未確認のエネルギー反応があったから調査してこいってな。それで実際に出向いてみたら、高町達が封印してたところを目撃したんだ。今まで見たこともないうえ、最初はエネルギー反応をうまく解析できなかった。つまり、学園都市には無い技術で学園都市の技術じゃ処理しきれないと判断した。だから後の処理やら回収やらは任せたって訳だ。」
クロノは非難するように
「馬鹿な!?何故協力しようとしなかったんだ!!君達の技術で手に負えなくても君ほどの者なら封印はできなくても協力ぐらいならできただろう!!」 垣根は眉一つ動かさず当然のように返す。
「俺の目的はあくまで調査だ。それにそこまでする義務も義理も無ぇ、だいたいそれは対応が遅れた時空管理局にも責任があるだろうが」
「っ!…だがっ!」
「それに俺は今後も協力する気はねえ。」
※その後、しばらく口論になったが、リンディが仲裁し、話を戻すことにした。
「貴方の能力等についての話に戻すけど、いいわね?」
「構わねえ」
「貴方の能力、レベル、あと、あの時背中から出していた白い翼、について聞きたいんだけど」
垣根は面倒臭さそうに返す。
「俺の能力名はLevel5の『未元物質』あの白い翼はある一定以上の演算量を超えると勝手に出てくるんだよ。」
「ダークマター?」
クロノが口を挟む。
「とは言っても暗黒物質のことじゃねえがな。そもそもこの世界が何で構成されているか分かってるか?」
「…原子よりも小さな粒、素粒子だったかしら」
リンディが答える。
「正解。細かい説明は省くが、次元世界も例外なく複数の種類の素粒子によって構成されている。そして物理法則等の法則が"常識"として存在してる訳だな」
「それが君の能力とどう関係しているんだ??」
「黙って最後まで聞けよ執務官。俺の未元物質は簡単に言うとこの世界に存在しない素粒子を作り出して操作する能力だ」
クロノ・ハラオウンは分かったような分からないような顔をしている。
リンディ・ハラオウンも理解し切れていないようだ。
「かい摘まんで説明するとな、俺の『未元物質』はこの世界に存在しない新物質だ。そいつに既存の物理法則は通じないし、未元物質に触れて影響を受けたモノも独自の法則に従って動く。例えば、太陽光を回折して殺人光線や特殊な熱線に変貌させたりとかな」
「「・・・・・・っ!!」」
二人とも絶句している。
「まあ、驚くのも無理ないわな。超能力の中でも異質な能力だし」
垣根は構わず説明を続ける。
「ちなみに海原を眠らせた方法の種明かしだが、ヤツの回りにだけ散布しといた未元物質で酸素を瞬間的に消滅させたんだ。それによって瞬時に低酸素症(酸欠)にさせて気絶させたって訳だ」
「そんなことまでできるのか……」
クロノは驚きながらも呟く。
「ま、何にしても応用次第ってヤツだ」
その後、しばらく会談をして垣根は帰った(クロノに送られた)
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