第53話『高町家2』
高町家の食卓に混ぜられた垣根帝督。
彼の隣には高町なのはが座った。
料理が並べられ、皆で食べはじめる。
「…あ、旨いな、これ」
垣根は喫茶店をやっているだけのことはあると、心の中で賞賛する。
「あ、それはわたしがつくったんだよ!」
なのはが笑顔で彼に言った。
「ほお、流石は喫茶店の娘。お前って意外と料理できるんだな」
「えへへ…////」
感心する垣根に照れるなのは。
そんな彼等を微笑ましそうに眺める高町桃子。
その後、なんやかんやで食事が終わり、
なのはの兄、高町恭也が垣根帝督に質問をする。
「…なのはから聞いたんだが、君が孤児で闇組織に所属しているのは本当か?」
「ああ、本当ですが何か?」
垣根はアッサリと答える。
「その、…辛くないの?」
今度はなのはの姉で恭也の妹、高町美由希が聞く。
「いや別に。物心着いたときから暗部やらには散々関わってきたから、辛いとは思わないっすね。面倒臭いとは思うけど」
内容的には壮絶だが、彼は表情一つ変えずに答えた。
高町士郎は表情を曇らせながら、
「…こんなこと聞くのも難なんだが、寂しいとか家族が欲しいとは思わないのかい?」
その問いに垣根は簡単に即答した。
「思わないっすね。そもそも俺は家族だの、親だの、兄弟だの、そういうものを知らないんで。どうとも思わないですね」
「ッ!!……そ、そうか。すまないね、余計なことを…」
士郎は余計なことをきいてしまったと後悔し、すまなさそうにする。
「気にしないでください。俺が一番気にしてないんで」
垣根は慣れないのか、どこかぎこちない敬語で話す。
物心着いたときから親兄弟は居なかった。
いや、いたのかも分からない。
自分の近くにいたのは自分をモルモットのような実験動物としてしか見ていない屑のような科学者達。
そして文字通りモルモット同然の扱いをされてきた。
そしてそれが今の垣根帝督という人物を形成したのだろう。
「…つーか、辛気臭いんでもうやめにしません?この話。それより他に言いたい事でもあったんじゃないんですか?恭也さん」
話の中心であるはずの垣根が面倒臭そうに言う。
「ああ、そうだ!お前、なのはの頭を締め上げたそうじゃないか!!それはどういう了見だ!?」
急に怒りだす恭也。
この瞬間、シリアスな空気はぶち壊されコミカルな空気に激変した。
「あれは約束破った罰。俺は悪くねえ」
「よし、今から道場に来い!!決闘だ!!」
「俺は剣の心得とか無いから無理」
その後しばらく論争が続き、美由希、桃子の仲裁によりなんとか鎮静する。
そしてそろそろ夜も遅くなりそうな時間になる。
「ゴチになった。ありがとよ、高町」
家の玄関で垣根帝督がなのはに礼を言う。
「ううん、よかったら、その、…また来てね////」
「気が向いたらな」
不意になのはの横にいた桃子が突拍子もないことを言う。
「帝督くんは一人暮らしなんでしょう?なら一層のこと、うちに住まない?そうすればなのはも喜ぶし………」
「な、何言ってんの!?お母さん!!/////」
照れて取り乱すなのはと笑う桃子。
しかし垣根は、
「大変魅力的な提案ですがお断りさせていただきます」
するとなのはが残念そうにガッカリとした表情になる。
「え、どうして?」
「だって、俺の本籍は学園都市だぞ」
「あ、そうだったね」
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