今回の主役はユーノ君です。
出番は一瞬で終わりますけど。
「大人がやるべきことは、大人がやりな。ガキに押し付けるんじゃないよ」ビヴロスト・B・アングルボダ
【新暦0040年 時空管理局評議会 本会議】
【Side:とある保守派政治家】
私はミッドチルダの政治家だ。
今、時空管理局評議会に対して一つの議題を提示している。
「昨今、時空管理局および民間機関において就業年齢の低下が見られる。
いかに能力的な水準を満たしているとはいえ、心身ともに成長期の少年少女を就業させるのは大いに問題があるといえよう。評議会各位には、以下の表を見ていただきたい」
ここで私は参考資料を提示する。
「時空管理局における、過去10年間の15才以下の死傷率推移だ。16歳以上や20歳以上に比較して、死傷率が高いことがわかっていただけたと思う」
グラフでは、15才以下の死傷率がそれ以上の年代に比べて1.5倍以上を指し示している。
実は、15才以下には新人が多いため、純粋に年齢的な問題ではないのだが、それをここで指摘する必要はない。
「15才以下で時空管理局に勤務しているのは、例外なく優秀な魔導師たちだ。死者の中には、10才で執務官を務めていたような将来有望な……いや、将来有望だった人材も含まれる」
そう。たとえ能力が高くても、成長期前の少年少女を前線で働かせている現状はおかしいのだ。精神的にも肉体的にも、経験が不足している少年少女に負担をかけるなど、未来の損失といえよう。
「彼らのような人材を! 貴重な宝を! 今人手不足だからといって使い潰しても良いものなのだろうか! 否! それは時空管理局のみではなく、管理世界・管理外世界全ての損失である」
「そこで私はこの法案を提案する。諸兄のご意見をお聞かせ願いたい」
──評議会提出法案1.就業年齢に関する規制法案──
1.時空管理局の雇用年齢を16才に引き上げる。(既存職員については現状維持とする)
2.管理世界における雇用年齢を16才以上に制限する。
3.15才以下で執政官や管理官試験に合格した優秀な人材は、高度人材教育の対象とし、16才の就業までにより高度且つ専門的な教育を行う。
議会の各所からパチパチと拍手が聞こえる。
この法案は時空管理局最高評議会顧問、通称"お婆さん"の肝いりであることは、評議会のメンバー全員が知っている。である以上、意見を言う者はあっても反対をする者はいないだろう。
まぁ、要するに出来レースなのだ。
10分後。
予定通り、全会一致でこの法案は可決された。
◆ ◆ ◆
【新暦0065年 スクライア一族】
【Side:ユーノ・スクライア】
「いってらっしゃーい」
転送ポートで、遺跡発掘に向かう大人たちを送り出す。
いいなぁ。大人は。
遺跡発掘ができて。
僕も、知識は大人たちに負けない自信はある。
これでも未来のスクライアを背負って立つ人材だと言われているしね。
でも、僕はまだ9歳だから発掘調査には参加できない。
こうして、大人たちを見送ることしかできないわけだ。
昔は、若くても能力があれば参加できたらしい。
でも、数十年前に15才以下の就業禁止の法案が出てからは、たとえ能力があっても参加できなくなったそうだ。
残念だなぁ。数十年前に生まれていたら、絶対に参加してたのに。
スクライアの大人たちから、調査の結果報告が届いた。
なんでも、「ジュエルシード」という第一級のロストロギアが発見されたらしい。
ジュエルシードは、ロストロギア関連法案に従って、厳重に時空管理局に輸送されることになる。多分、専任の研究者以外は見たり触ったりすることはできなくなるだろう。
いいなぁ。
僕もジュエルシード発掘に関わりたかったなぁ~。
◆ ◆ ◆
「魔法少女リリカルなのは」始まりません。
無印完w
Mr.P:あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『原作が始まったとおもったら、既に終わっていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった… (以下略)
有能なお人は、「始まる前に終わらせる」のです。
そして転生者Aは涙目。
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