風邪で死にかけてる朧木です。
今回はとても短いです。
風邪が辛いのです。
ご容赦を……。
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――――なのは
辛く長い戦いが終わりを告げて戦いに参加したみんなはアースラに移動した。
はやては長期にわたりリンカーコアを侵食されていたことと初めての魔法行使、それも大魔法を使用したために気を失ってしまった。幸い、闇の書の浸食が止まった今ではなんら問題の無いただの疲れでしかなかった。
辛い戦いは終わった。
しかしその夢物語は、なのはがフェイトと共にアースラの一角にてその喜びを分かち合っている時、重苦しい表情のクロノに告げられた現実に、なのはたちの喜びは文字通り夢と散った。
「ロゥ君ならきっと……」
クロノからリィンフォースが自分の処分を進言していることを聞いたなのはとフェイトはロゥの休憩している部屋へと向かっていた。
ロゥならばその悲しい運命を回避できると信じて。
「……だけど大丈夫なのかな? ロゥに相談して。また騙されたりするんじゃ?」
ロゥを信じて歩みを進めるなのはの横でフェイトが不安そうにいう。
今回の事件でなのははロゥに利用されていた。なのはの強さの源でもある信じる心、ロゥはそれをことごとく利用して管理局の情報を盗み出したりしていた。
なのはの強い想いに救われた経験のあるフェイトはそれを平然と利用するロゥを信じられなくなっていた。
「きっと理由があったんだよ」
事実、ロゥがなのはを協力でなく利用したのには理由があった。
仮にあの時、ロゥがなのはに事情を説明し協力させることに成功していたのなら、なのはは間違いなく管理局から裏切り者、つまり共犯者として見られていただろう。しかしなのははロゥに協力ではなく利用された、つまり被害者であったがために重い責任を取らされることもなかった。
つまり一見なのはを心なく利用したように見えるロゥの行動は、実のところなのはの立場を考えられた行動だったのだ。
もちろん、なのはも気付いてはいないのだが、なのははただ友達を信じていた。
その信じる心はなのはの強さの中でとりわけ目映く輝くものだった。
「なのはがそれでいいなら……私もそれでいいけど。どんな理由だったにしろなのはを騙したことは謝って欲しいな」
「うん。それじゃあ、全部終わったらちゃんと謝ってもらおう!」
なのはとフェイトが歩きながらそんな会話をしていると、いつも間にか目的地に到着していた。
なのははロゥの部屋の扉をノックすると部屋に入った。
「ロゥ君、あの――」
お願いがあるの、となのはは言おうとして止まった。
それは今までに感じたことが無い空気、身動き一つで爆発してしまいそうな爆弾の前に立たされたような息苦しい空気のせいだった。
それはなのはが初めて体験する純粋で苛烈で業火のような怒りだった。
「もう一度聞きますけど。それ、本気ですかね?」
その燃えるような怒りの源――ロゥが怒りなど微塵も感じさせないいつも通りのニヤケ顔で目の前の、なのはたちが来る前に訪れていたリィンフォースに問いかけた。
「ああ」
リィンフォースはロゥの荒れ狂う怒りの中、平然と答えた。
「…………ふぅ。あの、有害図書?」
ロゥは仕方がないなーといった感じに頭をガシガシとかく。
その動作は本当に怒りなど微塵も感じ取れない。
そして――
「――ふざけんなッ!!!」
爆発した。
それはなのはが一度も見たことが無いロゥ・アイアスの激情だった。
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