23日にあったイベントで、名取市の農家の佐藤富志雄さん(右)が商品の白いポロシャツを、アパレルメーカーの女性がデニムのショートパンツを身につけて登場した=東京都港区
23日にあったイベントで、商品のデニムを身につけて登場した仙台市の農家の松木弘治さん(右)と、アパレルメーカーの女性=東京都港区
津波をかぶった田んぼでも育ちやすい綿花を植える宮城県の「東北コットンプロジェクト」で、初めて収穫した綿花を使った商品が売り出された。台風や栽培時期の影響で、昨年秋の収穫では目標の1割以下しかとれず、商品に含まれる宮城産綿花の割合は1〜5%にとどまるが、農家や企業は新たな産業に育てようと今年も意気込んでいる。
東京・六本木で23日、地元の農家や農業学校生が商品をお披露目した。ポロシャツ約2千枚、タオル約1万5千枚など4種類で682〜1万6800円。商品はホームページ上や高島屋(衣類以外)などで購入できる。
プロジェクトは昨年7月発足。靴下メーカーのタビオや大正紡績など衣類や雑貨メーカーと小売業など約60団体がメンバーで、仙台市若林区の7ヘクタールと名取市の1ヘクタールで農家約20人が生産する。稲作と同じ収入を保証するため相場より高く綿花を買い取る。事業として続けられるよう製造企業は最低限の利益をとるが、すべて売れた場合の700万円から1千万円の利益を、プロジェクトの運営資金にする。
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