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【社会】

体育、部活で死亡470件 文科省が初公表

2012年7月4日 13時10分

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 学校の体育の授業や部活動での事故防止策を検討する文部科学省の有識者会議は4日、事故分析や対策を盛り込んだ報告書を公表した。1998〜2009年度の12年間で生徒が死亡したのは470件、重い障害を負ったのは120件。このうち、部活動中に起きた事故は競技別では柔道が最多の50件に上り、安全対策として「受け身の練習が重要」と指摘した。

 本年度から中学校で武道が必修化された中、体育の授業や部活中の事故に関する統計を文科省が公表したのは初めて。

 事故全体の590件のうち、中学、高校での体育の授業中の事故は212件で、部活中の事故は318件だった。授業中の柔道の事故は9件で、陸上(87件)や水泳(24件)の方が多かったが、部活中では柔道が最多の50件(16%)を占めた。

 今年4月から中学1、2年で必修化された武道は、学校ごとに柔道や剣道、相撲などを選ぶ。今回、報告書と併せて公表した文科省の調査では、柔道を選択した学校が全1万683校のうち6837校(64%)を占めた。柔道の授業を4月に始めた学校は2・1%にとどまり、本格的に実施するのは夏休み以降となることも分かった。

 名古屋市立向陽高校で昨年、柔道部練習中に1年生の倉田総嗣(そうし)さん=当時(15)=が死亡した事故などを踏まえ、有識者会議は柔道指導のあり方を重点的に検討。安全対策として、受け身の指導を十分に行うことが重要と指摘した。このほか、体格や技能の差を十分に考慮して練習させる▽顧問に十分な研修機会を与え、経験の浅い教員が部活動の顧問の場合、警察官OBなど経験者の協力を得る−などを挙げた。

 今回の報告書では学校別の発生件数も分析。高校が342件(58%)で最も多く、中学188件(32%)、小学校60件(10%)だった。小学校では学年が上がるほど事故が増える傾向があり、中学、高校では1、2年生が多かった。

(中日新聞)

 

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