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仙水さんは思う



「第二次試験はずばり“チームで乗り越えろ! 宝石争奪バトル”だわさ!!」

闘技場で負った傷が治りかけた頃、「急に用事ができたわさ」と言って出て行ったのは試験官になるためだったのか……
確かにそのようなことは以前言っていた記憶もするが、まさか本当に試験官になっているとは……正体とは打って変わってその仮初の見た目どおりの性格をしている

「まぁ、いきなり何のことかは分からないと思うから、とりあえずマーメン、例の紙を受験生に配って」

「相変わらずですねぇ。ビスケさんは……」

豆顔の男は苦笑を浮かべながら受験生に箱に入った紙を一枚ずつ取るように促す。
受け取ったその手の平に収まるぐらいの紙には『17』と大きく書かれていた。

「その紙に書かれた番号が自分の所属するチームナンバーでもあり、あんたたちの探す宝石、というよりその原石の番号でもあるわけよ。今からサンプルを見せるから番号を呼ばれた順に来ること!! 」

試験の詳しい内容も、合格基準もまったく説明ないままにまくし立てるのはさすがに問題があるんじゃないのか? 周囲でも同様のざわめきが広がっていたが、ビスケの勢いと試験官という身分から聞くにも聞かれない雰囲気がそこにはあった。

ビスケの話だけでは、この試験がチーム戦ということと宝石を奪うということだけしか結局分からないままだが、受験者全員にサンプルを見せた後に詳しい説明があるのだと信じて待つとしよう。幸いにもここは第一次試験とは違って少し涼しいので待つのは苦にならない

三十分かそこらが経ち、ようやく17番が呼ばれた。

巨大な穴の横に設置された大きなキャンプテントの中に、髪をポニーテールにしてたくさんの宝石のサンプルに囲まれていることが幸せなのか、終始笑顔を絶やさないビスケと数人の人影があった。
おそらく同じチームであろうその人影の中にはピンク髪の少女と付き添いの男、それに……ムクロという見覚えのあるメンバーとまるで饅頭のような鼻を持つ中年男という、いまいち統一感に欠けた感があるグループだ

「んじゃ、とりあえず配った紙の確認とそれぞれの名前を確認するわよ」

「受験番号67番、ムクロ」

ビスケの呼びかけにムクロは軽く首を縦に振り、持っていた紙を設置されている机の上に置く。ビスケはそれを軽く見て満足そうに頷くと次の確認に入りだした。
その後も同様に行われ、

「受験番号103番、仙水 忍!!!!」

何故か自分だけが、テントの外に聞こえるほどの大きな声で名を読み上げられる
なるべく苛立ちを表情に出さないようにして、配られた紙を返したが上手く隠せているかどうか不安だ

「最後に受験番号35番、トンパね」

やたら気の抜けた声でそう読み上げると、饅頭鼻はピクピク青筋を浮かべながら紙を乱暴に机の上に叩き付けた。気持ちは分からなくないが、ビスケ相手にそういう態度をとることはあまりお勧めしない

「何あんた? 文句があるなら落とすわよ」

「試験官にその権利は無いはずだぜ!」

おそらくハンター試験の常連なのだろう。訳知り顔でビスケに詰め寄るが、当の本人は年の功でビクともしない

「こっちはいくらでも理由つけて落とすことは可能だし、それにあんたは協会のほうでも大分目を付けられているんだわさ“新人つぶし”のトンパさん♪」

さすがに旗色が悪いと考えたのか、押し黙るトンパ。

何処かで見た覚えのある顔だと思ったら、あの新人つぶしのトンパだったとは……
あの二人組みはどうか知らないが、俺とムクロは新人なので潰される恐れは充分ある上に、この試験はチーム戦。和を乱すようなことは止めて欲しい
いや、むしろムクロが協力してくれるかどうかの方が心配だな

「あんたたちは17番だから……これね。よりにもよってサンヴァニックか、ついてないわね」

ビスケが見せたサンプルは小指の爪の先ほどの大きさだったが、いったい何処からそんな光量がでるのかというほど輝くものだった。

「このサンヴァニックはね。見る者を惹くあまり、数年前から市場での取引が禁止されたほどの宝石よ。一説によると動物を引き寄せるフェロモンと似た芳香物質が常に発散されているのと、この光との相乗効果で中毒者を続出させたらしいわよ」

確かに綺麗でずっと見つめていたくなったので目を閉じて誘惑を振り払うが、それでもまだ瞼の内側に残滓が残っているような気がした

これはこの宝石を運ぶのも、採掘するのも苦労しそうだ







「全員サンプルは見たわね。……さてあたしの後ろにある大穴がさっきから気になっている奴が結構いるんじゃない? この洞窟は鉱石を掘り出す為に昔掘られた奴だから、他にも似たような穴がゴロゴロあってね。これから別々の穴に入って始めてもらうのは、さっき見せたサンプルの原石をグループで採ってくるいわば宝探しみたいなもんね。
勿論、中には入手難度がBを超えるレアメタルを指定されたグループもあるから、適当に他の奴を奪ってもいいけど、その場合二組のグループから奪うこと」

「ちょっと待ってくれ! 原石はいったいどのくらいの量を採ればいいんだ? それに洞窟の何処に原石があるのか知らないぞ!」

騒ぎ出した受験者にビスケはフウッとため息をつくと、

「原石の量はそれと分かる程度なら大きさは問わないわさ。大きければそれなりに次の試験で優遇するけどね。それと後者は、それを探し当てる観察力と、探求力をこっちは判断したいんだっての!!! …………と言いたいところだけど、さすがにひよっこのあんたらじゃ少し難しいわね。

ヒントは奥に行けば行くほど発見率は上がるってこと!

それに採掘場所に行ったらそうと分かるだろうから、採掘は武器でも何でも使って好きにしなさい。くれぐれも原石を傷つけない様にね!」

宝石マニアのビスケのことだ。例え合格基準に満たされているとはいえ、不注意で砕けて割れてしまった原石を渡すと不合格にされかねない
採掘の経験はないが、とりわけ慎重に行う必要に行う必要があるだろう
こんなことになるのなら、以前シャルナークに誘われたオビ遺跡の発掘作業に付き合って、そういうスキルを上げておくべきだったのかもしれない
一見、意味のないようなことでも何かしらの利益があるんだと、今回の反省を生かして次誘われた時は乗るとしよう。しかし分け前が7:3は酷すぎる……


「そして最後に、グループは必ず・・五人組で帰ってくること、以上!」

……性格悪いよ、ビスケ




†  †  †  †  †


人はよく“未知の恐怖”と言うが、それは間違いだ

“未知”こそが“恐怖”なのだ

例えば、君は今自分の部屋にいるとしよう。そこは完全に自分の空間であり、そこに他人の匂いが付く様な物はなく、既知感しか存在しない

ところが夜、明かりを消して闇が訪れると様子は変わる
見慣れた物は当然見当たらず、人によっては闇の中に別の生物の存在を予期させるかもしれない
だいたいの物の位置は分かるものの、それは脳内で作られた偽りの情報をなぞって行動しているに過ぎないのだ


そして人は恐怖する


常識的に考えれば、昼と夜は暗くなる以外何も変わらず、そこにある物は全く何の変化も起こらない。そのはずなのだが暗闇という“未知”はいとも簡単に人を恐怖に陥れる。

“幽霊”や“死”を恐れる理由もこれに由来していると思われる



随分哲学的なことを考えてしまったが、そうせずにはいられない理由があった

第二次試験が始まり、俺達は宛がわれた竪穴の縁になんとか足場を見出して下へ降りていくまではよかった。

しかし、そこに広がるのは闇

洞窟の途中にあったヒカリゴケのような都合のいいものはどうやらここにはないらしい
仕方なく、ムクロを先頭に自分、二人組みの男女、トンパといった順番に洞窟の横壁に触れながら先へ先へと進む。

オーラで辺りを照らせないかと考えたが、纏をした体の輪郭だけが浮かんで、辺りは全く明るくならなかった。確かに、オーラが辺りを照らすのなら一般人にもオーラを見ることが出来るということになってしまうのでこの結果は正しいと言えば正しいのだろうが、つくづくオーラがいったいどんな原理で光っているように見えるのだろうか不思議に思う

とにかく足下も見えず、その上ゴツゴツと起伏にも富んでいるようなので歩きにくいのが難点だ。

こんな時は円を使えれば便利なのだろうが、呪念錠で纏ぐらいしか出来ない今の自分では到底無理なので、前を行くムクロに円で案内してもらっている

やはり、円は神経を使うのでムクロもおしゃべりを止めた

そうなると、暗闇はただ黙々と進める足音しかなくなる。無言の空間をつらいと考えたことはないが、目から得る情報が無くなると人は何かを考えることで自分という存在を認識しようとするのだろう。

先ほどのように取り留めの無い哲学的なことを考えてしまうのは仕方無いことだ


だがついに静寂に耐え切れなくなった少女が、連れの男に声をかけた。

「ねぇイスマス、何処まで続くのかなこの道は?」

「試験官の口ぶりだと十キロはくだらないだろうな」

「甘いね」

二人の会話を遮ったのはトンパ。少女が闇の中でどんな表情をしているかは確かめる術がないが、おそらく突然の乱入者をあまり好ましく思わなかっただろう

「俺は十歳から25回もテストを受けてきたんだ。その経験から言わせてもらうと今回の試験は最悪だね。試験官が酷すぎる。君らは新人だろ、今回は諦めて次回受けたほうがいいぜ」

トンパにしてはしごく真っ当な意見だ。

「そ、そんなのあなたに関係ないじゃありませんか! 私は早くハンター試験に受かって……」

「早くハンター試験に受かって、何だい?」

「…………」

「言っちゃ悪いが嬢ちゃんは今年の新人の中じゃドベだ。この先もお守りの世話になってハンターになっても損するだけ。ハンターは一番危険な仕事だからそれに相応しいだけの実力を備えてなくちゃ―――ッ!?」

背後で殺気が膨れ上がる。連れの男、イスマスとやらがトンパの首元にナイフでも突きつけたのだろう。よっぽど少女を大事に思っての行動だろうが、そこまですることはない
トンパが言ったのは全て事実なのだから……



†  †  †  †  

俺はトンパ
ハンター試験の常連中の常連だ。毎年、期待に胸を寄せてハンター試験に来る新人の絶望した顔が見たいが故に今年で25回も試験を受けている。

趣味が悪いって?

人を殺しまくるマフィアや戦争家に比べたら高尚な趣味に違いねえだろ?

何はともかく、今年も新人をつぶそうと会場へ向かう電車の中で新人を探したんだが驚いた。時間の都合で半分の車両しか見れなかったが、その半分以上が新人!
俺以外のベテランもこれには驚いたらしく直ぐに俺へ新人つぶしを依頼した。別に金なんか貰わなくてもやる予定だったから関係ないけどな

ベテランも俺以外の新人つぶしをくぐり抜けてここまで来たもんだから、新人つぶしの恐ろしさとその有用性を知っている。将来邪魔になる存在の芽を切り落とすのはある意味当然だしな

さっそく車内の新人に俺特性、無味、無臭の下剤入りジュースを勧めてみるが、これが全く通用しない! おかしい、いつもは絶対何人かが試験の緊張から騙されて飲んじまうんだが、まるで予想してましたよといわんばかりに断られた。
ベテランの奴らは新人が邪魔だから、俺のことをばらす訳がないのでこれは今年の新人が総じて優秀だってことだな
ヘヘッ、そうじゃないと潰しがいがねぇな!!


結局騙されて飲んだのは二人。一人は毒だと知ってて飲み、

「オレなら平気だよ。訓練してるから。毒じゃ死なない」

と言いきったそいつに若干焦ったが、その後直ぐに車内で盛大に下痢を起こしやがった。口先だけの野朗に焦るとはオレもまだまだだ

もう一人は本当にあっけなく騙されたので最高におもしろかったが、まだまだ楽しんではられねぇ
なにせおそらくハンター試験始まって以来の新人豊作の年だ。ここを逃しちゃ“新人つぶし”の名も廃れるってもんだ

そして第一次試験が始まった。
まぁ、体力やある程度の実力が試される第一次試験だったので試験に関しては問題ない
友人から動けるデブと評されてるオレにとっちゃ楽なもんで、試験の始まりと同時に偶然を装って新人の背にぶつかり、ベテランの群れに誘導させた後は今年の新人の出来を観察することにする。

オレがここまでやってこれたのは人を見極める目、観察眼があったおかげだ。そしてそれは数十年の研鑽を得て今や第六感とでもいうべき実力にまで達した。
下手な勘よりよっぽど信用があるそいつで新人を観察する。

大抵の奴の実力は毎年の新人のそれと変わらないが、中にはとびっきりいい動きをする奴もいる。ひ弱そうに見えた少年も体に炎!? を纏ってあたりを威嚇していた。
きっと奴はサーカス出身で、着ている服が燃えてないのは耐火性の素材を使っているからだろう。やたらコストパフォーマンスが高そうな威嚇だが、動物は本能的に火を恐れるので的外れというわけでもない。ベテラン並みに癖のありそうな奴ばかりだ


その中でオレが目をつけたのは争いの中何を思ってか地面に屈みこんで、隠れようとしている少女だった。いや、実際それは上手くいっていた。
ふと視線が外れたらその少女がそこにいるんだと捉えるのが難しくなるぐらい少女には気配がなく、少女の目の前を通り過ぎた凶暴そうな男も気づく様子は全くない

気配を殺す技にかけちゃあの子は一人前、いやそれ以上だ

しばらくその子を観察していると連れと思わしき男がその子を連れてトンネルの奥に進む。
おっとオレもこんなことしている暇はねぇな
走りながらその子を観察する。どうやらちょっとばかし武術を齧ってはいるが、一般人に毛の生えた程度でハンターになれるとは到底思えない


第二次試験会場に無事着いた時は試験官が言う、その内容を信じられなかった。

チーム制

一次試験で他人を置いて我先と急がした後のチーム制。中にはガラの悪い奴もいるだろうし、まとまりが取れなくてはチームの崩壊は直ぐそこだ。

そして最後に言い残した「必ず五人・・で帰って来い」という言葉。
これは最初のチームメンバーを全員入れ替えたとしても、最終的に五人で原石を持って帰ってくれば合格にするというチームの裏切りを暗示した言葉

ただでさえ一次試験で疑心暗鬼の種をばら撒いた上に裏切りを勧めるようなルール、そして他のグループの宝石を奪っていいという三段構えの暗示

たかが二次試験でそこまで受験者を追い込もうとするとは、やらしい試験官じゃねぇか……



そして極めつけはサンプルを見せるためにテントに呼び出されて確認出来たチームがなんと、あの少女と男の連れ! 連れの方は難しそうだが、あの少女は追い詰めればなんとか試験中につぶせそうだ

そして後のメンバーは何やらやばそうな気配のする包帯男と、一見人の良さそうな黒服の青年。
どっちも見たことのない面だったので新人だってことは分かったが、俺の第六感がこいつらに関わるなと告げている。しかし、これはチーム制。なるべく関わらないように、それでいて敵意を向けられないようにしなくては……


「んじゃ、とりあえず配った紙の確認とそれぞれの名前を確認するわよ」

「受験番号67番、ムクロ」

あの包帯男の名前はムクロか。危険人物ランクAだな

「受験番号103番、仙水 忍!!!!」

この仙水というやつだけ試験官にテントの外に聞こえるほどの声で呼ばれたのは何故だ?
ひょっとしてこいつら知り合いか?
新人の癖に試験官と繋がりを持っているとはやるじゃねぇか
そんな将来有望のこいつの潰れる姿を見てみたいが、どうもヴィジョンが浮かばねぇ

「最後に受験番号35番、トンパね」

さすがにその態度は無いだろっ!! イラついて紙を乱暴に机の上に叩き付けた。

「何あんた? 文句があるなら落とすわよ」

なんだこの試験官、オレと張り合うってのか?

「試験官にその権利は無いはずだぜ!」

実際は試験官の意志次第で落とすことは可能だが、どう見てもこの少女は十代前半にしか見えないのでハッタリを自信ありげに言えば、ばれることはないだろう

「こっちはいくらでも理由つけて落とすことは可能だし、それにあんたは協会のほうでも大分目を付けられているんだわさ“新人つぶし”のトンパさん♪」

チッ、先輩の試験官にでも聞きやがったのか?
それに新人つぶしだとばれちゃ、仕事がやりにくくなる。クソッ、オレは執念深いんだ!
覚えとけよっ!!

苛立ちが収まらないまま始まった第二次試験。
洞窟の中は真っ暗だ。

普段なら俺の軽快なトークで盛り上げるところだが、既にチームの奴らには俺が新人つぶしだということがばれてるので不自然な話題提供は怪しまれ、碌に話は出来ない
それにさっきから何だか変な感覚が体を覆っているんだよな

誰かの体内の中にいるような、ぬぺっとしたゼリーのようなものに包まれている感覚

気持ち悪い。ハンター試験の為にベストコンディションを整えてきたので体の不調という線は薄い、この暗闇に付け加えて、洞窟という閉塞感からそう感じるかもしれないなと自分を納得させ前を行くチームに続く。

それにしても、一番目のムクロって奴はこのほぼ視界ゼロの状況でさっさと進めるな
俺みたいなベテランでも苦労するってのに、まるで真昼間外を出歩くようにスタスタと進みやがる

「ねぇイスマス、何処まで続くのかなこの道は?」

前のほうからあの少女の声が洞窟内に響く。反射音からしてあまり横幅は広くないみたいだな

「試験官の口ぶりだと十キロはくだらないだろうな」

「甘いね」

突然の俺の声に遮られ、前の二人組みが露骨に嫌な表情をしたのが空気で分かった。だけど俺はこの程度で怯むような奴じゃないんだ。しつこさも俺の武器だからよ

「俺は十歳から25回もテストを受けてきたんだ。その経験から言わせてもらうと今回の試験は最悪だね。試験官が酷すぎる。君らは新人だろ、今回は諦めて次回受けたほうがいいぜ」

嘘偽りない俺の考えだ。今回の二次試験は今まで俺が受けてきた中で一番キツイ
正直俺も三次試験までは受かりたいので、合格するだけで精一杯の試験の中新人落とす余裕は余り無い。出来れば来年受けに来たこの少女を落とすほうが俺にとってもやり易いのだ。

「そ、そんなのあなたに関係ないじゃありませんか! 私は早くハンター試験に受かって……」

「早くハンター試験に受かって、何だい?」

「…………」

「言っちゃ悪いが嬢ちゃんは今年の新人の中じゃドベだ。この先もお守りの世話になってハンターになっても損するだけ。ハンターは一番危険な仕事だからそれに相応しいだけの実力を備えてなくちゃ―――ッ!?」

俺の親切な忠告は突然の乱入者に邪魔された。おそらく嬢ちゃんの保護者であろう男にナイフのようなものを首に突きつけられたのだ
暗闇でよくは見えないが、荒い息と纏う空気から目の前の男が相当キレているのが分かる

気がつけば俺の足がガクガクとみっともなく震えていた。

命の危機を感じたことはこれまでに何度もあるこの俺が、ただ目の前の男になす術もなく恐怖することしか出来ないなんて……

何もんだこいつ?


トンパの口調に疑問を抱くのはきっと原作よりまだトンパが若いせいです!!

何かもうちょっと頭脳的なハンター試験を考えたかったな……
いい案があればぜひ!!


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