申し訳ありませんでしたー!!
これほどの難産は初めてだ。更新を心待ちにしていた読者の皆さんにはご迷惑をおかけしました。なにとぞこれからもよろしくお願いします!!
仙水さん苦戦する
「はいそこ、右手の攻防力が0.5%ほど多いわよ!」
そのアドバイスに従ってなんとか改善しようとするが、
「今度はその分背中にいっちゃってるわさ!」
と、いつの間にか取り出したハリセンを地面に叩きつけて指摘する。片手で逆立ちしたまま1%以下のオーラの配分をしろというのだからビスケもたいがい鬼畜だ。それも三時間耐久。
俺がビスケに再び教えを請うと、ビスケは基本の四大行とその応用をやらせた後(もちろん練や堅、凝、硬、円はなし)集中的に流の特訓をやらせた。最初の念の修行の時ほとんど教えることがなかった反動なのか、ビスケは姑のごとく誤差1%以下のオーラ配分をネチネチと指摘する。その表情は心なしか楽しそうだ。
「まぁ少しは見れるようになってきたわね。そろそろ休憩にしましょうか?」
「……さすがに少し疲れたな」
試合まであと一週間。決して長くはないそんな現状で暢気にしている暇はないので、昼食の時間と十分ばかりの休憩がすんだ後に再びビスケ直々の特訓をうける。
放出系の系統修行『浮き手』も現在のオーラ量でなんとか出来るようになったのでビスケいわく、今日やる修行はそれよりレベルが一段階高いものらしい。
「今日やるのはずばり! 『乗り手』よ!」
「乗り手?」
「そう。まぁ実際は今あたしが考えたんだけど、兎に角あんたの修行にはピッタリだわさ!」
球飛ばしは指先大の球状のオーラを遠くまで飛ばす、放出系の系統修行でも簡単なものでグリードアイランド編のときにゴンがやっていたものだ。
「まずはあんた念弾をつくってそこに浮かばせてみなさい」
言われた通りに念弾をつくって空中に浮かばせる。放出系の系統によっている自分にとっては造作もないことだが、ビスケがここからいったいどんなことをさせるのだろう?
「その念弾の上に乗りなさい。最初は足からでいいけど最終的には指一本で乗ってもらうからそのつもりでね♪」
今まで念弾は飛ばすものでしかなかったのでオーラの塊に本当に乗れるものなのか? と躊躇したが、念弾は実際人に当らないと意味がないのである程度の堅さと質力は持っているはずなのだ。ならばむしろ触れない方がおかしい。
脳内で自己完結した俺は、自らのつくりだした念弾に片足で乗ってみたが予想以上に念弾の上に乗るのは難しい。乗るだけなら簡単なのだが、念弾は俺自身の体重を支えるためにオーラを使うらしくどんどん小さくなっていくのだ。そしてピンポン球ほどの大きさになるとプシュッという音と共に念弾は消えてしまい、俺の両足は地面についた。
「忍、それでやってみてどうだった?」
「予想以上に難しいな。足裏にオーラを集めすぎると念弾に込められたオーラがあっという間に消費されていくし、かといって足裏のオーラが少なすぎると自らのオーラによって傷ついてしまう。本当によく考えられたメニューだな」
「その通り。これをクリアするには流と発のバランスが一番大切なわけだわさ。忍もこれは一朝一夕じゃあ出来ないわよ。あんたも大分成長したから、この修行はあたしのアドバイスなしで一時間念弾の上に乗りなさい。そうしたら晴れてあんたは弟子卒業だわさ!」
ビスケの顔は弟子の成長の喜びと悲しみが入り混じった複雑な顔で部屋を後にしたが、その手に持つ男性のグラビア雑誌がいろいろと台無しにしていた。
そんなビスケが去った後、まず最初に念弾を大きくしてやってみた。しかし始めてそうそうこれではダメだと分かる。
念弾を大きくした分、流で消費するオーラの量が増え、長続きしないのだ。それに加え最初の念弾をつくる際のオーラの減少によってオーラ総量が少なくなっているのも失敗の原因だと思われる。
やはり大きくすればその分長続きするという発想は甘すぎたのだろう。
妥協案として念弾を維持しやすいボウリングの球サイズに変えてやったところ時間はかなり延びたが、それでも半分の三十分もいかない。これは念弾の所為だけではなく、流が完璧ではないせいだろうか? ビスケの流の特訓で大分自信がついていたが、これは考え直さなくてはいけないかもしれないと再び流の特訓に移る。
自分では体全体のオーラの配分が見えないので大きな鏡を前に置いての修行だ。
しかし何度確認しても流に問題があるようには思えない。
とすると単純にオーラ量が足りないのか? しかしビスケは人に絶対出来ないことを課題としてやらせる人物ではない。何か大事なことを見落としているのだろうか?
念弾の大きさは……あれ以外では長時間持続できないからよいとして、流もおかしいところはないはず。念弾の上でバランスを常に保っているのでオーラ消費に余計なものはない。
もっと念弾に効率よくオーラを込めれたなら話は変わってくるのだが――ハッ!
まだ試してないことがあった。
念弾をつくりその上に乗りながら、流でオーラ配分をする。それまでは今までと同じだがここからが違う。話は簡単なことだったのだ。
念弾に最初にこめたオーラだけで長時間維持しようと考えたのがまず間違い
自分の体重の分だけ念弾に込められたオーラが減っていくならその減少分を足裏から継ぎ足してやればよいだけ。最初はどのぐらいのペースでオーラをつぎ込めばいいか分からず失敗したが何度か繰り返していく内にだんだん感覚を掴めて来た。そして日が暮れるころようやく目標の一時間を達成
シャツが汗でベトッを超え雫をたらすほどになり、シャワーですっきりした後、泥のように眠った。
翌朝目覚めると直ぐに、念の基本を一通りやってから具現化系の修行に移る。
具現化系には膨大なイメージ修行が欠かせないが、それはほとんど必要としなかった。
幽白のキャラの能力なら、具現化系100%の才能があるからか、具現化するのにそれほど苦労しなかったからだ。
イメージしたのは蔵馬(妖狐)の白魔装束、色は黒に変えたので黒魔装束といったほうがよいだろう。それによりまず練が使えないことによる念の防御力の低さをカバー、無論それだけでは面白くないので武威の着ていた鎧の余計な飾りを捨て手甲や肩当て、脚部を覆う部分と組み合わせることにより攻撃力も上げた。
しかし、そのせいでやはり扱えるオーラがどうしても少なくなる。
これはもう顕在オーラ量を増やすしか手がないだろうという結論に至ったところで、部屋のドアを叩く音が聞こえた。おそらくビスケだろうなとドアを開けると、予想に反してそれはいつも通り顔に笑顔を貼り付けたシャルナークだった。
「わぁ、仙水変わった格好しているね。それは新しい念能力か何か――」
バタン
……少し無駄なオーラを具現化する時に使っている可能性もある。節約、節約と自分で言っていて少し空しい気持ちになるが、現状それしか手段がないというのだから仕方ない。
再び思考の波に入りかけた自分を呼び覚ます様にドアがしつこく叩かれる。
「酷いな仙水、いい知らせを持ってきたのに」
「……一応聞いておこう、何だ?」
「マチが仙水に百万賭けるから絶対負けるなだって」
「それだけか?」
その答えは予想してなかったらしく、シャルナークはしばし顎に手をあてて考え込んだ後
「あ、俺も応援してるからね」
今度はドアを閉めた後、鍵を掛けてチェーンまでした。
……修行を始めよう
† † † †
『さぁ始まりました! 未だ無敗。謎のハスラー、キャロム・シーケル対こちらも無敗の仙水 忍! 無敗同士で初の黒星をつけるのはいったいどちらなのか!?』
向かい合う奴、改めキャロムはフードの下でニヤリと笑う。間違いなくウボォーギンと同じ戦闘狂だろう。
そういう相手は強い、弱い関係なく面倒臭いのが定石なのでやる気もそがれるというものだ。
『試合開始!!』
まずは自分だけの力でどこまでやれるか試すため、黒魔装束は具現化しない。
キャロムは余裕のせいか、薄く笑みを浮かべこちらへゆっくり近づいてくる。
「待ち望んでいたぞ、兵よ。まずは挨拶代わりだ」
そう言うとキャロムの手にはダイヤの形の器具が出現した。具現化したであろうその器具の中には九つのカラフルな的球が入っている。キャロムはそれを自身と俺との間に投げ、背中に背負っていたキューで再び手元に具現化させた白い手球を撞く。
それはどういう理由かちょうど膝ぐらいの高さに浮いている九つの的球の塊に当り、弾けた。
「【ブレイク・ショット】」
的球は目で追いきれないこともないが、あらゆる角度に撥ねて互いにぶちあたり、軌道が読みにくい。不意に背後から空気を割く音が聞こえたが、その時には既に背中を酷い衝撃が襲っていた。纏をしているとはいえ、人を殺せるような威力ではないそれは本当に挨拶代わりだったのだろう。
『ヒット1ポイント!』
確かに軌道は読みづらいがなんとかならないこともない。
「フフッ、まだやれるという顔をしているがもう遅い。このフィールドが闘技場と言う名の台だとするなら貴殿はポケットなのだよ」
その言葉と共に体に妙な念がかかるのが分かった。どんな念能力かは分からないがその念能力の発動条件が先ほどの攻撃によってクリアされたのだろう。
俺は構わずキャロムの元へ一足跳びで向かう。
こういう形に嵌めて発動させる念能力は総じて強力だが、経験上その本人の肉体の錬度はそうでもないことが多い。ゲームマスターの天沼や、キメラアントのオロソ兄妹などがよい例だ。
勿論、それを彼らは分かっているので自身に攻撃をさせない能力を備えていたり、あるいは隠れていたりするのだが、前者は念能力上かなりの制約が要求されるのでほとんどない。
つまりこういう相手の能力に嵌ってしまった場合は、能力者を見つけ出して殺すか、能力の解除条件をクリアするかぐらいしかないのだ。その中で一番効率的なのは勿論最初だろう。
能力の解除条件をクリアするにはまずその念能力がどんなものかを知る必要があり、その為にはその攻撃を近くで観察せねばならず危険が付き添うからだ。
一気に距離をつめた俺に相手は動揺もせず対処する。右フック、後ろ回し蹴りと繋げるが苦もなくかわし、あまつさえ反撃でキューの鋭い突きをくらうところだった。
一旦距離をとるとキャロムは今だ空中に浮いている的球目がけ手球を撞いた。
このままでは防戦一方確実なので浮いている的球の一つを烈蹴紅球波で打ち落とす。轟という爆音を響かせ、確かに直撃したはずだが傷一つない的球は依然浮いたままだ。
「やっかいだな」
そういい終わるまでに先ほどキャロムが撞いた球が連鎖反応的に闘技場の中を跳ね回り、ぶつかった床に大穴が空くほどの威力を見せ付けてくれる。余りにも速く動いているので闘技場が的球の色の洪水によって覆いつくされていく。
『キャロム選手の【卓上の遊戯】<ナイン・ボール>炸裂!!
九つの球が闘技場の床や天井を跳ね回り対戦相手を蹂躙するこの技は未だ破られていません!! 仙水選手はいったいどう闘うのか!?』
こういう場合は下手に動くと危険だと言われているが、先ほどの念能力で何らかの補正が加えられていることも考えられる。防御のために黒魔装束を具現化させると同時に狙ったように腹部に二つの衝撃を受け地面へと倒された。
先ほどとは威力も段違いでズサァという効果音と共に腹部が焼けるように痛む。どうやら肋骨を何本がいったらしい
『クリティカルヒット&ダウン3ポイント!』
『お~っと仙水選手へ再びヒット。これで4:0、私個人としてはヴィジュアル的に仙水選手を応援しております!!――ハッ!? これは失言でした。大変申し訳ありません!』
……痛みには慣れているので起き上がれるが、後で折れた肋骨が肺にささってないか不安ではある。キャロムはこんなものか? とでもいいたげに深くため息をついてみせた。
「期待にはどうやら沿えそうもない。君が想像しているのが自らの勝利だとしたらそれを裏切らねばならないからだ」
何も黒魔装束は念功防力を上げるためだけのものではない。付加させた能力は肉体を活性化させ筋力、強化系統を飛躍的に高めるというものだ。気鋼闘衣と比べたらその効力は段違いだが、元々強化系の才能が20%しかない俺が黒魔装束によって40%へ上がるというのは大きい。
普通は自分の系統と最も離れた系統でさえ40%は使いこなせる才能があるので、俺の具現化系と放出系以外20%というのは大きな縛りで最大のネックでもあった。単純計算で相手のオーラの二倍は持ってないと相手の最弱の系統の能力と同等ではないからだ。
俺は起き上がり、九つの球の被弾覚悟でキャロム目がけて突っ込む。烈蹴紅球波をぶつけたほうがより効率的だとは思うが外してオーラを無駄にしたくはない。
「ハァーーー!」
強烈な衝撃が肩にあたり再びポイントが入る。衝撃で危うく転倒しかけたが、それでもようやくキャロムの元へたどり着き、振り払おうとするキャロムを力づくで押さえ込んだ。さすがにここまで来るとは想像してなかったらしいキャロムの隙だらけの腹部に何度か膝蹴りを決めたところで嫌な予感がしてその場に伏せる。そして破壊音と共に今既自分がいた石床は的球によって大穴を空けていた。
『クリティカル仙水2ポイント!』
先ほどの攻撃で警戒心を高めたキャロムはこちらへ近づかせまいと手球を高速で動く的球にぶつける。やはり攻撃の起点は全てあの手球だ。あれをどうにかすれば能力が解除されるだろうがその前に目の前を高速で動く的球をどうにかしなければならない。
時間がかかればその分球が当る確率は増えるだろうし、これはオーラの節約より多少のオーラ消費を覚悟の短期決戦へ持ち込むべきか
そう結論づけた俺は体の周りに多数の念弾を出現させ、烈蹴紫炎弾の準備をする。そうしてる最中も的球がその中の念弾のいくつかを破壊し、体のあちこちにかすり、内出血で肌が紫色になり腫れ上がる。審判がポイントを叫ぶ声を聞きながら烈蹴紫炎弾を放った。
黒魔装束で強化された力で放った烈蹴紫炎弾はそのいくつかを的球によって相殺されながらもキャロム目がけて走る。相手をしつこく狙う無数の念弾にキャロムも顔色を変え、避けることに専念しているようだ。
ここで近づき止めをさせばそれがベストなのだが、烈蹴紫炎弾を使う際にはその場から2メートル程は動けないという制約があるので、今の自分に出来ることは飛び交う的球に当たらないよう身を屈めて、ただ念弾が相手を追い詰めることを願うだけだ。
ドン!!
もはや何度目になるかわからない衝撃が体を襲った。
吹き飛ばされてその場から2メートル以上離れたのが原因かそれまでキャロムを襲っていた烈蹴紫炎弾は消え、それと同時に体を覆っていた黒魔装束も消える。
『クリティカルヒット&ダウン、3ポイント!』
『オー、何と言うことでしょう! これで9:2、いよいよ仙水選手後がない!!』
キャロムがキューを構えたままこちらへ近づいてくる。
もう纏を維持するのさえままならず、ショックのせいか頭がガンガン揺れているように錯覚してしまうほどだ。
だが、それでも立つ。体全体が痛み、もはや何処が痛いのかさえ分からない。
そんな異様なまでの意地を見せて立ち上がる俺を見てキャロムは呆れているようだ。
「貴殿は立派だった。もうそれでよいではないか?」
右腕はおかしな方向へ向いていたが、無事なほうの左手で真っ直ぐに戻し念弾を浮かばせる。体中のオーラをかき集めてようやく二つほどできたそれはお世辞にもあまり形がいいものではない。
一つを蹴りとばすが真正面からの単調な攻撃を避けられないキャロムではない。続けて二つ目を正面のキャロムからかなり右にずれた方向へ蹴る。それは途中で急激にカーブして背後からキャロムを狙う特別な念弾だったがそれすらキャロムのフードにかするだけだった。
もう自身のオーラは皮膚の表面でボンヤリ光る程度しか残されていない。
「普段通りの実力を出していたなら先ほどの一撃はかなり危うかっただろう。だが精度、狙いが甘い。私に勝つのはまだ早かったな」
キャロムがキューの先を硬で強化し止めを刺そうと身構える。
そして闘技場のリングは轟という音をたてて半壊した。
確かにその時俺はまったく体が動かせなかった。だがキューの狙いは確かにずれて闘技場のリングを破壊するだけに留まった。
キャロムが外したわけではない。外させたのだ。
最後に放った二発の念弾。一発目が囮で、二発目が本命の変化球だと思わせたが実際は一発目が本命だった。
一発目の念弾はキャロムに避けられた後、リングを大きく回って止めを刺そうとキューに硬をしたキャロムの首筋に直撃。
半壊したリングの瓦礫の中へ倒れ伏したというわけだ。
『キャロム選手、戦闘続行不可能。よって勝者、仙水!!』
『な、何が起こったのでしょうか!? あわや大ピンチと思われた仙水選手でしたが結果は大、大、大逆転勝利!! 誰かいったいどうしてこうなったのか教えて欲しいところです!!』
観客が大歓声を上げる中、目の前のキャロムに続いて瓦礫の中へ倒れる。
最後に見たのは、担架を持ってきた医療部隊がステージの端から急いで駆け寄る光景だった。
目を覚ますと体中に痒みと鈍痛がはしり思わず呻く。痛みを忘れるために再び眠ろうとするが、一度痒みや痛みが気になると中々寝付けない。
眠ることを諦めボンヤリと薄目を開けると体中に巻かれた包帯と薬品の匂い、折れた右腕には副子と三角巾で固定されていた。
あまり愉快な光景ではない
「あら、起きたの?」
ドアをノックもせずに入ってきたのは、かごに入ったりんごを抱えたビスケだった。
起きて直ぐにシャルナークの顔を見るよりは随分いい目覚めである。
ビスケはベッドの近くにあるパイプイスへ腰かけると、果物ナイフで器用にりんごの皮を剥き出した。しばし病室にはりんごの皮をむくシャリシャリという音だけが流れる。
「よしっ、我ながらいい出来だわさ!」
誇るように剥き終えたりんごを見せ付けるとそのままパクッとかぶりつく。
……ビスケはこういう人物だ
「ちょっ!? 冗談だわさ! 忍もほら食べなさい」
何も言わない自分に焦ったように食べかけのりんごを出されても困るのだが。
りんごを受け取らない俺に諦めたのか再びりんごを剥き始め、今度はさすがにかぶりつかずカットされたりんごを差し出すが空腹を感じてなかったので丁重にお断りした。
「怪我の完治にどれくらいかかると医者は言っていたか?」
「全治4ヶ月。あれだけバンバン敵の攻撃を喰らっといてそれだけですむなんて本当にたいした体だわね」
キャロムとの試合があったのが十月九日。ハンター試験まであと二ヶ月と少しか。体の方はなんとか一ヶ月で治るだろうから残った時間は病院生活で鈍った体を叩き直す分にあてればギリギリ間に合う。
再びドアが開いて初の顔合わせをしたマチたちとビスケ。もう面倒ごとはこりごりなので毛布を被って寝たフリでもしよう。
今回あまり黒魔装束や乗り手の修行の成果とはあまり関係なかったですけど次回からはその成果を御見せできると思います。
ハンター試験では転生者を出す予定です。原作知識ありから知識なしまで出します。
その中にはあの人の姿も? 次回お楽しみに!!
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