どうも、ここ数ヶ月は遅い更新となっています
こちらはどちらにせよスローペースですが。
まさかジム戦で1話を思いっきり使うとは思っていませんでした
それにしても、何回読み返しても1章はマシですね
4章に比べたら本当に……ロケット団のイメージからでしょうか?
主にアニメの……いえ、なんでもありません。
今話にはとあるゲストキャラが登場します
誰かは秘密……ただ、知っている人は知っています。
2話【VSサイドン】
視点 ミズキ
さて、ニビジムに挑戦する時間だな
岩の使い手、鉄より硬い岩石の男、ニビシティジムリーダーのタケシ
5勝してやっとタケシへの挑戦権を得られる……か。
俺は……Dブロックか
さて、さっさと勝って先に進もう
こんな小さな場所で躓いていられないしな。
リング上に居るのは男と、イシツブテか
馬鹿か? 最初から自分の使用ポケモンを晒すとはな
態々出している意味も無いのに、勿体ない……
俺は今回使用する、コンパンを出す
しかし、見た目はどう見ても弱そうな虫ポケモン
相手がこちらを見て笑っているのが見える。
そして鳴ったゴング
さっさと終わらせるかな。
「コンパン、“かなしばり”」
イシツブテの動きを封じる
これでもうあいつは動けない。
「い、イシツブテ!?」
「“メガドレイン”」
岩タイプに効果的な草タイプの技
体力を吸い尽くされ、イシツブテは動けなくなった。
連戦でも、体力を奪えるコンパンの“メガドレイン”なら最後まで続くな
これで何も心配は要らない、さっさと終わらせよう。
第2戦、相手はサイホーンね
別に怖い相手じゃない、コンパンでさっさと終わらせようか。
「コンパン、“かなしばり”」
「サイホーン! “とっしん”だ!」
サイホーンが“とっしん”の指示を受け、向かって来るも“かなしばり”で先に動きを封じる
後は軽く料理するだけっと
見ろコンパン、目の前に良い餌があるぞ?
「“メガドレイン”」
体力を奪い尽くし、気絶するサイホーン
唖然とするトレーナーを無視し、次の試合に向かう
……いくらなんでも弱すぎる。
その次の試合はまだマシだった
コンパンの“かなしばり”を警戒し、サンドが“スピードスター”を使ってきた
が、コンパンの“ねんりき”でねじ曲げてサンドにプレゼント
ついでに“メガドレイン”で体力を奪って終わり。
4試合目、相手はディグダだった
“ひっかく”の連打で鬱陶しかったが、“どくのこな”で毒状態にしてやった
体力が減ったことで動きが鈍ったところに、お馴染み“メガドレイン”で体力を奪う
なお、受けたダメージは全快したようだ。
予選最後の5試合目はゴローン、イシツブテの進化形か
開始直後の“たいあたり”に直撃するものの、なんとか耐えた
タケシ戦はコンパンを使う予定は無いし、少し暴れるかな?
「ゴローン、もう1回“たいあたり”だ!」
「“リフレクター”だコンパン」
光る壁を作り出し、壁とする
ゴローンは壁にぶつかり、弾き返される
そんな大きな隙を見せたら……危険だぞ?
「コンパン、“サイコキネシス”」
目から超能力のような青い光を放ち、ゴローンを捕らえる
そのまま宙へ浮かせ……
「“どくどく”」
口から毒を吐き出し、ゴローンは猛毒を浴びる
動けない状態で猛毒状態、放置したら死ぬぞ?
それを理解したトレーナーはすぐさまゴローンを戻す
どうやら降参らしい、当然だな
放置したら本当に死ぬし、すぐに回復させに行くだろう。
タケシへの挑戦権を得られたのは俺を含めて4人
赤い帽子の少年、使用ポケモンはニョロゾとフシギダネ
しかし、何故か体力が減っているのか回復していないのか、そろそろ限界かな?
となると切り札の1体でタケシを突破するつもりか。
2人目は茶髪のトゲトゲ頭……どうやって髪を立ててるんだ?
使っていたのはリザードにゴルダック、ピジョットか
あいつは実力者だな、俺の手持ちでは精々互角か……勝てないだろう
やはり面倒だが手持ちを育てるしか無いか。
3人目は着物の女、黒髪がやたら長い
手持ちはストライクとスピアーだが、確実に隠し球があるな
戦法はスピードとパワーを重視した押せ押せタイプ……赤帽子の少年に近いか?
性格も近いような遠いような、微妙なところだ。
そして最後は俺
コンパンのみ使用、これでよく勝ち進めたものだ
“メガドレイン”を使えるから当然とも言えるがな。
そういえばフシギダネも“メガドレイン”を使えるはずだが……使えないのか?
使えるのならかなり楽になって有利になっただろうにな
“やどりぎのたね”を使ってもよかったと思うんだが、使わなかったな
ま、1撃でも受けたら危険だろうし、悠長にジワジワ奪うなんて待ってられないか。
さて、観察させてもらおうかな?
俺がタケシと戦うのは最後だし。
試合順はトゲトゲ頭、赤帽子、女、俺の順番だ
どの順番だろうが関係無い、俺が勝つだけの話
順番に意味を持たせる必要は無い。
1試合目の棘頭
使用したのはゴーリキー……ゴルダックでも勝てると思うが、ダメージを受けているからかな?
格闘でも岩とは相性が良いからな、それで使うのはゴーリキーなんだろう。
対するタケシの使用ポケモンはイワーク……体長が8.8mとかなりでかい
体長1.5mのゴーリキーとの差は大人と子供以前の問題だ
あの巨体で締め付けられたらさぞ辛いだろうな。
「ゴーリキー、“きあいだめ”!」
「イワーク、“いわおとし”だ!」
「“からてチョップ”で打ち落とせ!」
ゴーリキーは“きあいだめ”で集中力と高める
イワークの放つ岩をその腕で落としていく……やはり強いな、あの棘。
焦れてきたのか疲れてきたのか、イワークの放つ岩数が減ってきた
そしてゴーリキーは段々とイワークに近づいている
もう少しでゴーリキーの攻撃範囲に入ると思われる場所で……
「“けたぐり”!」
「“いかり”!
“がまん”だ!」
“けたぐり”が決まるものの、“がまん”で耐える
そしてその前に使っていた“いかり”で攻撃力を上げるか
だがダメージの大きい格闘技を受けて、反撃できる体力が残るかな?
「……む?」
ん? 棘も気付いたようだが、思ったよりダメージが小さい?
イワークが使えそうな技といえば……なるほど、“かたくなる”か
それでダメージを減少させたんだな。
更に別の副産物も得たらしい
“けたぐり”を放ったゴーリキーの足は怪我をし、血を流している
棘は舌打ちをするも、冷静さは失っていないらしい。
「これで終わりだ!
“たたきつける”!」
尾を高くから振り下ろし、ゴーリキーに直撃……したように見えた
しかし、ゴーリキーはイワークを殴り飛ばしていた
あの状況でそれができるとすれば……“カウンター”かな。
これでイワークは戦闘不能、棘の勝利だな
イワークはボールに戻される、体力はまだありそうだから次もイワークかな?
そしてタケシは棘にバッチを渡す……あの岩みたいな形をしているのがグレーバッチか?
ブルーバッチの時も思ったが、あの見た目と名前はどうにかならないのか?
戦闘不能になったものの、まだ軽傷だったのかすぐに出てきたタケシとイワーク
暫くし、帽子がピカチュウを押しながら出てきた?
まさかあのピカチュウ、トレーナーの言う事を聞かないのか?
試合開始のゴングが鳴ったが、ピカチュウはそっぽを向いている。
まさかジム戦に言う事を聞かない奴を出すとはな
もしかして手持ちはフシギダネ、ニョロゾ、ピカチュウしかいないのか?
なら今までの2匹は回復していなさそうだから無理だし、仕方無いか。
ピカチュウはイワークの吐き出した岩をチョロチョロと避けるも、1回直撃する
直撃した岩にピカチュウは怒るが、その怒りは帽子へと……嫌われているのか?
駄目だなぁ、嫌われていても言う事を聞かせるように躾けないと
俺はちゃんと躾けたからどいつもこいつも言う事を聞くぞ?
やる気の感じさせられないピカチュウに怒ったらしい
タケシのイワークが体を蜷局に巻き……
「トドメだ! “ロケットずつき”!」
イワークの速度はなかなか速い
その攻撃が背中を向けているピカチュウに直撃しそうになるが
割り込んだ帽子がピカチュウを抱えて逃げ出す。
……危ない奴だな
もし少しでも遅れたらイワークの巨体に叩き潰されて死んでいたかもしれないんだぞ?
何も考えていない馬鹿か、それとも身体能力に自信が有ったか……前者かな?
馬鹿の証拠に、ピカチュウと暢気に笑顔で話している
何を言ったのか、ピカチュウがやる気を出したが……遅い
既にイワークの“ロケットずつき”がピカチュウに向かって放たれている。
しかしピカチュウは慌てず、飛び上がって回避
自らの力である電気を尾に集中させ、強烈な“たたきつける”を頭部に直撃させる
本来なら電気技は地面タイプでもあるイワークに効果は無いが、何事にも例外は有るらしい。
どうやら電気により威力を上げられた一撃は、威力が一点集中せずに拡散されたようだ
電気の特性からしてそれは当然なんだが……実際に起こると恐ろしいものだ
イワークの体となっている岩と岩を繋ぐ為の力を弱めたらしい
体の岩がバラバラに弾け飛び、イワークは完全に動けなくなった。
驚愕から膝を着き、唖然とするタケシ
ついでに帽子自身も驚いて動けなくなっているが無視。
帽子はグレーバッチをタケシから受け取り、引っ込む
次は女がタケシと戦うらしいが……何を使うんだ?
ついでに、タケシもあのイワークは使えないだろうし……
女が出したのはマダツボミ、タケシが出したのはゴローニャ
……待て、ゴローニャはイシツブテ、ゴローンの最終形態だろうが
それを出すのか? 別に問題は無いと思うが出すのか?
「ゴローニャ、“とっしん”!」
女は無言でマダツボミに指示を出さない
何を考えているんだ?
そう思っていたら、マダツボミはゴローニャの“とっしん”を……流した?
あれは柔よく剛を制すという感じの動きだ
なるほど、あれなら最後に出しても不思議じゃない、よく訓練されている。
しかし、それは普通の相手ならばという前提が付く
よく訓練されているが、相手が悪かったな。
「おもしろいマダツボミだな
だが……ゴローニャ、“じしん”!」
ゴローニャの起こした地震でマダツボミの動きが止まる
バランスは崩していないが、さすがに動けないらしい。
「クッ……マダツボミ、“はっぱカッター”よ!」
「“いわおとし”!」
“はっぱカッター”を出すも、岩に阻まれてゴローニャには届かない
その間にゴローニャはマダツボミの目の前に居て……
「“だいばくはつ”だ!」
「しまっ!」
あーあ……終わったな
本来なら引き分けになるんだろうが、これはジム戦
勝たなければジムバッチは貰えない、つまり……
「ま、マダツボミ……」
戦闘不能になったマダツボミは起ち上がることができない
よってこれは勝利とは言えず、引き分け
つまりジムバッチを得ることはできないということだ。
それにしても、タケシが使ったのはイワークとゴローニャか
イワークは棘との試合で大怪我じゃなく、少しの回復でどうにかなったから帽子戦でも出たが
帽子にバラバラにされたからゴローニャを女との試合で出した
だが、そのゴローニャも自爆技で瀕死状態……俺との試合はどうするんだ?
俺の試合、タケシが使おうとしているのは……
「悪いが、今回はこいつを使わせてもらおう
本来ならジム戦用のポケモンじゃないんだが、もういなくてな」
待て、それはそれでどうなんだ?
というか、ジム戦用がたったの2体なのもどうかと思うが
ついでにプライベート用なのか、本気用なのかどっちだ?
「俺のポケモンはこいつだ!
出ろ、サイドン!」
……マジだな、こいつは確実に本気用のポケモンだ
イワークとゴローニャと比べても、成長差がそれなりに大きい
それはもう、見ただけで分かる程だ。
「ジム戦用のポケモンじゃないからな
手加減はするが、負けても怨むなよ」
お優しいことで……嘗めるなよ?
お遊戯バトルにしか見えないこのジム戦程度に負けるつもりは無い
例外というのをよく見ておくんだな。
「ガルーラ、お前の出番だ」
お互いに似たような体格や体をしている
さて……できれば奥の手は使いたく無いんだが
ジム戦用のポケモンならともかく、本気用では少々心許ない
負けるとは思わないが、勝てる確証も無い。
なお、観客席から驚きの声が2種類聞こえたが無視
何故驚いたのかまったく分からん。
「“にらみつける”んだ」
「ならばこっちも“にらみつける”だ!」
防御を下げる技なんだが……チッ
牽制に使う予定だったんだが、効果は薄いか
やはりある程度場数は踏んでいると思った方がいい。
「サイドン、“とっしん”!」
馬鹿め、そんな単純な攻撃を通すはずが無いだろう!
「“バブルこうせん”」
大量の泡を当てられ、怯みながらもこちらに向かって来るサイドン
しかし、ダメージは大きいのか意地でもという感じに目を閉じながら来る
それでは狙ってくれと言っているようなものだぞ?
「“カウンター”」
向かってきたサイドンに向かって拳を突き出すガルーラ
当然ながらその拳はサイドンに直撃し、突撃してきたサイドンの動きが止まる。
「“のしかかる”んだサイドン!」
む、強引にガルーラを押し潰しにきたか
しかもサイドンの方がガルーラより小さいので頭の下に体を潜り込ませている
これでは口から出す“バブルこうせん”を直撃させることができない。
こうなったら仕方無い、あまり使いたくなかった奥の手を使おう
ご丁寧に、両腕も押さえつけられ、更に足も動かせない状態にされているからな
本当に最後の手段だったのに、随分早く使うことになってしまった……残念だ。
視点 タケシ
予想外の強敵、確か名前はミズキだったか?
奴の使うガルーラはあまり育てられていないようだが、強い
元のスペックが高く、更にトレーナーが濃い訓練を施したらしいな。
使わせている技も多才、だがやはり未熟!
手加減はしているが、このままサイドンに潰されたままでは終わるぞ?
しかし、頭の下に体を入れ、更に両手両足を封じている状況
この状態で俺のサイドンを倒す手段は無い
暫くすれば諦めてガルーラを戻すだろうな。
「ガルーラ、“みずでっぽう”」
何を馬鹿なことを!
ガルーラが“みずでっぽう”を出す場所は口!
どう足掻いてもサイドンに当てることは不可能!
しかし、何故か腹部から水が出てきただと!?
どうやってあんな場所から!
クッ、動揺している場合じゃない!
「そのまま“つのでつく”んだサイドン!」
「“はかいこうせん”」
再び腹部から発射される攻撃……いったい何が起こっている!
俺が混乱している間にサイドンは吹き飛ばされ、気絶していた
ガルーラの方を見てみると、腹の袋に入っていた子供が大口を開けて……まさか!
「お前、ガルーラの子供に技を使わせたのか!?」
「正解
悪いがこの勝負、俺の勝ちだな?
まさか、手加減していたなんて言い訳はしないだろう?
どちらにせよ、負けは負けなんだからな」
こいつ……いや、怒るのは筋違いか
手加減したとしても、負けは負けに違い無い
最初から本気を出していたら……これは負け惜しみか。
「確かに俺の負けだな
勝者にはこれ、グレーバッチを進呈しよう」
「……」
不満そうな顔をしながらも受け取る挑戦者
なにが不満なのかは分からないが、キチンと受け取るようだ。
ふぅ……それにしても、今日は忙しかったな
まさか4人も挑戦者が出るとは思わなかったし、手持ちのダメージも大きい
更に問題なのはポケモンセンターが昨晩、何者かに襲われたことだ
回復マシンは一応ジム内にもあるが……いつ復旧するか。
誰が襲ったかは知らないが、犯人は必ず突き止めてやる
……しかし、今はポケモンを回復させるか
挑戦者達のポケモンも、ポケモンセンターが使えないからサービスで回復させようかな?
視点 ミズキ
タケシから回復マシンを借り、手持ちを回復させる
しかし、挑発というか嫌味を受けても平然としているとはな
なんともからかい甲斐の無い奴だ、さすが岩石の男
皮肉の意味で言うがな。
「おーい!」
うん? 後ろから大声が聞こえたので振り返ってみる
さっきジム戦をして勝った棘と帽子じゃないか。
「俺に何か用か?」
「お前が使っていたガルーラ……少し見せてもらってもいいか?」
「断る」
「へ?」「……」
何故見せる必要がある、面倒だ
俺の即答に唖然とする帽子、短気なのか苛立ちを見せる棘
それを無視してさっさと歩き出す、目的地はトキワシティだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!
そのガルーラ、知り合いかもしれないんだ!」
「それがどうした
知り合いだろうが何だろうが、お前に構っている時間は無い」
帽子の言葉を切り捨て、さっさと進む
しかし立ち塞がる帽子……鬱陶しいんだが?
「少しぐらいいいだろ?」
「……なら、無理矢理引きづり出してみたらどうだ?」
俺は帽子の前にケーシィを出す
自分の言葉を聞き入れない俺に苛立った帽子はニョロゾを出す
どうやら喧嘩を受けるつもりらしいが……知らんぞ?
「“みずでっぽう”!」
「“テレポート”」
試合とも言っていない、喧嘩に合図など無い
先手必勝の攻撃も、すぐに躱す。
「“でんじは”」
背後に移動したケーシィの電気がニョロゾに当たる
麻痺してしまったニョロゾを見て、不利を悟ったのかすぐさまフシギダネに交代させる
しかし、その考えは甘い!
「“つるのムチ”!」
「出ろギャロップ、“ほのおのうず”
ケーシィは“テレポート”で回避、“トライアタック”」
ケーシィを戻さずにギャロップを出す
蔓の攻撃は回避され、炎によって動きを封じられる
更に背後からの攻撃が直撃する、戦闘不能だな。
「んな……2匹同時なんて反則だぞ!」
「喧嘩に反則も糞もあるか
試合とも言わず、勝負とも言っていない
バトル=試合だなんて公式は捨てた方がいいんじゃないか?」
悔しそうにする帽子を見下し、屁理屈ながらも正論を言う
俺は何一つ、間違ったことは言っていないぞ?
「なら、俺が乱入するのも有りってことだな?
ゴルダック、“ハイドロポンプ”だ!」
「奇襲は黙ってするものだぞ?
コンパン、“サイコキネシス”」
「お前の戦い方はタケシとの戦いや予選でお見通しだ!
コンパンに“きりさく”だストライク!」
「“カウンター”から“じごくぐるま”」
ゴルダックの“ハイドロポンプ”をコンパンの“サイコキネシス”で反らせる
それを読んでいた棘は“サイコキネシス”で動けないコンパンにストライクで奇襲をする
しかしその程度は予想済み、ケーシィはコンパンとストライクの間に入って“カウンター”をする
動きを止められたストライクをそのまま掴み、“じごくぐるま”で地面に叩きつける。
棘は確かに強い、だがそれは試合での話だ
所詮は子供、どうせ正義が勝つとか自分は負けないという思い上がりが強い
つまり、動きや戦闘が単純な行動ばかりとなっている。
そんな者を相手に、卑怯騙し討ち反則上等どころか寧ろ万歳の俺が負けるはずが無い
思い上がりではなく、これは事実として負けない
こちらは生身で殺し合いや騙し合いも経験しているんだ、駆け引きで勝つのは当然
喧嘩ならばその辺りが重要になる、試合では効果は薄まるから余計に大きい。
「チッ、試合では手加減していたのか!」
「手加減なんてしていない
喧嘩と試合、本気が出せるのはどっちだと思う?」
俺の言葉に納得したのか、棘の苛立ちは更に上がる
睨んでくるも、その程度の睨みで俺が怯むはずも無い
濃すぎる経験をしてきたんだ、そよ風どころか無風に近い。
「ピジョット! ケーシィに“つばさでうつ”!
リザード! コンパンに“かえんほうしゃ”!
ゴーリキー! ギャロップに“からてチョップ”!」
なるほど、遠距離からではケーシィに躱されやすいから直接攻撃
コンパンはエスパー技の威力が低いから、相性と力技で強引に潰す
馬の形状から、直接戦闘が苦手なギャロップには接近戦
どうやらこの棘、実力が高い上に頭も良いらしい……だが、喧嘩で俺には勝てんよ。
「“メガトンキック”、“ソーラービーム”、“ふみつけ”」
ピジョットの翼を蹴りで受け止め、リザードの炎は光線で消し飛ばす
ゴーリキーの手刀は上部から踏みつぶすことで受け止めさせる
そして通常の勝負ならば拮抗するような場面だが……
「ガルーラ、“ふぶき”で全滅させろ」
これは喧嘩であり、乱闘だ、敵味方なんて考える余裕は無い
ガルーラは俺の意図に気付きながらも、俺の手持ちも含めて全てを“ふぶき”で攻撃する
が、ケーシィは“テレポート”で逃げだし、コンパンは“サイコキネシス”で雪をリザードに向ける
更にギャロップは自分の周りを“ほのおのうず”で囲み、“ふぶき”を防ぐついでにゴーリキーに攻撃。
完成したのは氷でできたピジョットの氷像と大火傷をしたゴーリキー
リザードはなんとか直撃前に炎を出したのか、ダメージは薄いらしい。
「クッ……」
それでも2体は戦闘不能状態
帽子の手持ちは言う事を聞かないピカチュウと麻痺したニョロゾ、敗北したフシギダネ
棘は凍ったピジョットと火傷を負ったゴーリキー、倒されたストライク、疲労しているリザード
無事なのはゴルダックぐらいかな?
「ガルーラはもう見ただろう?
もうこれぐらいにして、さっさと帰りな」
俺はガルーラとケーシィ、コンパンをボールに戻す
そしてギャロップに跨り、移動しようとする。
「待て! お前の名前は!?
俺はレッドでこいつはグリーンだ!」
名乗る必要は無いんだがな
ま、精々悔しさを感じてもらおうか。
「俺はミズキ、敗北と共にこの名を胸に刻んでおくんだな」
ギャロップを走らせ、棘改め緑棘と帽子改め赤帽子から離れる
あまり改めてないような気がするのはきっと気のせいじゃない
次の町、トキワシティのジムリーダー……は、無理だな
最強のジムリーダーと言われているらしいし、試合で勝てる自信はさすがに無い。
となると、海を渡ってグレンタウンにでも行くか
グレンジムならどうなるかな?
視点 グリーン
「行っちまったな」
「ああ……」
少ししか見ていないが、あのガルーラはおそらくトキワの森で出会ったガルーラ
俺が捕まえようとしていた所をレッドが邪魔をして……それはいい
子供が毒を負っていたのを治療して逃がしたんだが、どうやら奴はそれをそのまま捕まえたらしい。
「あのガルーラって、やっぱりそうなのか?」
「そうだ、俺達がトキワの森で出会ったガルーラだ
俺達を見て、複雑そうな顔をしていたし十中八九、あのガルーラだろう」
しかし、あれからたったの2日
それであそこまで躾けるとは……
おそらく、トレーナーとしての実力は俺よりあのミズキとかいう男の方が上だろう
ポケモン自身は普通なのは見れば分かるが、トレーナーの力で数段強く感じる
レッドみたいに仲良し、俺みたいに厳しく育てただけではあれほど躾けるのは不可能
どうやって鍛えたのか……気になるな。
「にしても、嫌味な奴だったな」
「それには同意する
お前と同じ意見なのは癪だが」
「む……」
どうやら俺の言葉にレッドは腹を立てたようだ
気に入らないのは俺も同じだがな。
俺とレッドは先ほどの会話を最後に別れる
お互いに言葉は不要、自分達のする事は決まっているからだ。
だが俺は少し路線を変更しよう
もっとトレーナーとしての実力を上げなければならない
ポケモンを上手く操る、それができなければ再びミズキに負ける!
さて、どうするか……ポケモンを鍛えるだけじゃなく、俺自身も鍛えるかな?
昔を思い出すが、今はそんなことを考えている場合じゃない
心も、体も、頭も鍛えなければならないんだ
時間はどれだけあっても足りない!
今はジムとか捕獲は少し後回しだ
それよりも己とポケモンを鍛える
あんな圧倒的に負けたんだ、次は必ず勝つ!
“かなしばり”はどういう効果になっているの?
文字通り金縛り状態にしています
どういう原理で技を封じているのか謎ですので。
サンドやディグダは地面タイプじゃないの?
漫画でもカラカラ、サンドが相手として出てきています
なので問題無いかと。
帽子と棘はともかく、着物の女って誰?
ポケットモンスターアニメの無印
セキエイリーグ4回戦のサトシの対戦相手で、名前はカオルコ
性格は派手好き、気品は有るが強気です
使用ポケモンはスピアー、ストライク、マダツボミです
知っている人は知っている、あのマダツボミの踵落としは……
きっとアニメを観ていた半数以上の人が唖然としたでしょうね。
グリーン戦ってあったの?
漫画上に存在しません
なので自分で予想して書いてみました
きっとグリーンならクールにこんな感じで戦ってくれると信じたい。
タケシがゴローニャやサイドン?
他に候補が無かったからです
地面タイプでも良かったんですが、なんとなく嫌でした
しかし変に強化し過ぎるのもアレなので、ジム戦用のイワークとゴローニャ
そして私的用のサイドンを出し、漫画上で出ない理由を作りました
……タケシが使うポケモンの絶対数が少ないのが悪いんです。
観客席からの2種類の声って?
レッドとグリーンです
見覚えのあるガルーラを見て驚いています。
子ガルーラが技を!?
あの子もガルーラです、技を使えても不思議じゃない……と、思います
他に子ガルーラに技を使わせた小説が有ったら教えてください
是非読んでみたいので……でも、そうそう滅多に無いだろうなぁ。
もしかしてガルーラを使用ポケモンに入れたのって……
この為です、思ったより早く使ってしまいました
今回は仕方無いのですが、本当ならもっと後に使いたかったです。
なんて酷い喧嘩だ……
下手すれば虐めのレベルです
しかし、ミズキの言い分に間違いは(多分)ありません。
“ソーラービーム”のチャージ時間は?
気にしない、漫画1巻2話みたいな理由にして気にしません
つまり、日の光さえあれば即発射が可能と……多分。
ミズキの戦い方が……
アニメっぽい? 気にしたら負けです
漫画でガチバトルは殆どありませんので難しいんです
なのである程度は容認してください。
グリーンが燃えてる……
あの性格です、嫌でもミズキは意識してしまう相手でしょう
なのでレッドはライバル、ミズキは倒すべき壁
きっとグリーンの中ではこんな感じです。
……そういえばカオルコは?
単なるゲストキャラです
遊戯王で言う瑞貴と明日香とか
そんな関係を期待していた人、予想は大ハズレです、残念でした
まぁ、再登場しないとは限りませんが……
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