【社説】日朝の核開発に揺れる東アジア情勢と韓国

 日本の経済産業省原子力安全保安院は26日、プルトニウムとウランの混合酸化物「MOX燃料」を製造する六ケ所村のMOX燃料工場の設計や工事を認可した。これまでこの工事は、福島第一原子力発電所での爆発事故の影響で中断していた。今回の認可は、長期的には脱原発の方針を表明する一方で、核兵器に転用が可能な高純度のプルトニウムを生産する高速増殖炉「もんじゅ」は今後も運用する、という日本政府の方針を示している。また日本政府は20日、原子力基本法に「国の安全保障に資する」という文言を追加し、核を軍事的に利用する道を開いた。

 日本は核武装に向けて着実に動いている。「原子力基本法の見直しは核兵器を保有するためではないか」との指摘が出てわずか数日後、核兵器を大量に製造できる物的な基盤をも拡充した。日本は第2次世界大戦末期、広島と長崎に原爆が投下されたことから、自国を「世界初の被爆国」とし、「脱核平和国」の先頭に立っているかのように行動してきた。しかし隣国を侵略・占領し、最終的に第2次大戦を起こして自ら破滅の道を歩んだ日本に対し、世界のどの国も「脱核平和国」などとは呼ばない。その日本は昨年の福島原発での事故後、原子力発電に対してさえも拒否感をあらわにしているが、その一方で軍事用の核開発だけは進めるという、おかしな症状を示している。

 日本が核開発の道に突き進む最も大きな口実は、北朝鮮の核開発だ。北朝鮮が核兵器保有を憲法に明記し、3回目の核実験に向けた動きを示していることを受け、日本国民は北朝鮮の核兵器保有を既成事実として受け入れている。日本領土上空にミサイルを飛ばす北朝鮮が核兵器を手にしているのだから、日本も自衛のための手段を持たなければならないとする極右勢力の主張が、日本の国内世論を徐々に動かしているというわけだ。

 「祖国は不敗の核保有国、無敵の軍事大国になった」と住民を洗脳している北朝鮮の邪教集団と、核に対する恐怖心を国民に植え付け、核武装に向けた道を開こうとする日本の極右勢力は、事実上「敵対的相互依存関係」を固めている。「北朝鮮の核保有にも一理ある」などと口にしていた北朝鮮追従主義者たちも、結果的に日本の核武装を側面から支援し、親日的国家反逆行為を行ったのと同じ結果を招いている。

 韓国国内が北朝鮮の核開発を前に分裂している間に、日本は北朝鮮の核を口実に、核武装に必要な準備を着実に進めている。北朝鮮の核開発を阻止できなければ、日本の核開発も止められないという東アジア安全保障の構図を正確に理解し、断固たる対応をしなければ、韓国は頭上と脇腹の双方に核を抱える絶体絶命の危機を迎えるだろう。

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