サムスン電子が米アップルとの特許紛争で相次いで敗訴し、先月米国で発売したばかりの最新主力機種「ギャラクシーS3」の販売も差し止められるのではないかという懸念が高まっている。
ギャラクシーS3は、今年5月末の発売から1カ月余りで全世界で1000万台以上が売れたヒット商品だ。米国でも6月末に発売されたが、移動通信キャリア5社が一斉に販売するのは異例のことだ。現在も供給が追い付かないほどの人気となっている。しかし、最近米国の裁判所で示されている判決、ギャラクシーS3の設計構造からみて、アップルの特許攻勢に押される可能性が高いとみられている。
■特許紛争で連敗中
サムスン電子は、米国でのアップルとの特許訴訟で連敗を続けている。米カリフォルニア州北部連邦地裁は今月2日、タブレット端末「ギャラクシータブ10.1」の販売を差し止める仮処分決定の執行停止を求めたサムスン電子の申し立てを棄却した。
これに先立ち、同地裁はギャラクシータブ10.1の米国国内での販売を差し止める決定を下していた。担当判事は「サムスン電子も明らかにしている通り、サムスンは米国でタブレット端末を多数発売しており、今回の販売差し止めによる被害は軽微だ」との論理を展開したという。