レストランチェーンのサイゼリヤが6月上旬、BNPパリバ証券など同証券グループ3社を相手取り、計168億円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こしたことがわかった。2007年と08年に結んだデリバティブ(金融派生商品)取引の契約で損が出たという。
訴状やサイゼリヤによると、ハンバーグやソースをオーストラリアの子会社から輸入する際に為替変動で損が出るのを防ぐため、07、08年に、BNPパリバ証券などとデリバティブ取引の契約を結んだ。それぞれ1豪ドル=78円、1豪ドル=69.9円で豪州ドルを買うことになっていて、いずれも当時の相場より約1〜2割、安く豪ドルが買えた。
しかし、為替相場が契約より円高豪ドル安に振れると、豪ドルの購入価格が加速度的に高くなっていく仕組みだったため、その後の円高豪ドル安で大きな損を被ったという。サイゼリヤは09年8月期決算で二つの契約の解約金として153億円の損失を出した。