◇アーカンソー選手権<最終日>
▽1日、米アーカンソー州ロジャーズ、ピナクルCC(6356ヤード、パー71)▽晴れ、気温38度、弱風▽賞金総額200万ドル、優勝30万ドル▽72選手
【ロジャーズ(米アーカンソー州)テッド・ムース】藍が美香との“宮里対決”を制した。首位と5打差の4位で出た宮里藍(27)=サントリーが7バーディー、1ボギーの65、通算12アンダーをマーク。2位に入った沖縄の後輩・宮里美香(22)=NTTぷらら=を1打差で振り切り、逆転で今季2勝目、通算9勝目を挙げた。優勝賞金も30万ドル(約2400万円)を獲得し、賞金ランク1位に浮上。次戦の全米女子オープンで初のメジャー制覇を狙う。
米ツアー9度目の勝利の美酒は複雑な味だった。12アンダーまで伸ばし、先にホールアウトした藍。最終組の美香が18番でバーディーを決めればプレーオフに突入だった。だが、運命のパットはカップの左へ。「プレーオフを覚悟していた。美香は泣きながら『おめでとう』と言ってくれたけど、なんて言えばいいか分からなかった」。涙に震える後輩を抱えながら、控えめに笑った。
貫禄の逆転勝ちだった。先週は予選落ち。今週も「調子は7割だった」。だが、不調時の戦い方も心得ているのが藍の強み。「自分に全く期待していなかった。だから逆に集中できた」。目の前の一打に没頭し、前半だけで4バーディー。最後の18番もきっちりバーディーで締め、「まさか勝つとは。自分が驚いている」と振り返った。
これで今季の賞金は計約103万ドルとなり、賞金ランク1位に浮上。トップ10入りも11試合で8度と抜群の安定感を誇る。その背中を追う美香もこれで2試合連続2位。「彼女はまだ若い。優勝の時はきっと来る」。04年のダイキンオーキッドレディス。プロ初優勝を飾った大会で8位に入ったのが、当時中学2年の美香だった。「すごい中学生」と驚がくした後輩と今、世界の最高峰で覇を競う。
「また一緒に優勝争いができるのを楽しみにしている。きょうは楽しかった」。次戦は全米女子オープン。急成長を続ける後輩とともに、メジャーの舞台でも暴れ回る。
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