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【格闘技】

洋太 必殺スケボーパンチ “職質王者”V1戦

2012年7月4日 紙面から

 WBC世界スーパーフライ級王者の“マジカルボックス”佐藤洋太(28)=協栄=が3日、8日の初防衛戦を前に東京都内のジムでスパーリングを公開した。強打のシルベスター・ロペス(24)=フィリピン=との一戦はKO必至のスリリングな展開が予想されるが、佐藤は必殺の「ブランク・ラックパンチ」がカギになると予告した。

 エアロバイクをこぎながら、汗だくの佐藤がふとひらめいたようにこうつぶやいた。

 「倒すパンチは練習してないパンチかも。スケボー仲間が作った言葉で“ブランク・ラック”って言葉がある。3、4日練習してなくて、空白があった方が、普段、できなかったワザができることがある。欲がない。パンチもこのパンチで倒すと意識したら当たらない。本能がチョイスしたパンチが当たる」

 去る3月27日、王者スリヤンを右腕をぐるぐる回す幻惑殺法からのストレートでダウンさせ、世界への道を切り開いた。あれも、ブランク・ラックだったのか。「あれは、ビギナーズ・ラック」と笑って否定した佐藤はこう続けた。

 「ラック(運)といっても、偶然じゃなく、必然。ボクは必然とか運命とかいう言葉が好き。やるべきことをやって、語る運命論。あとは、知ったこっちゃないです」

 この日は、バンタム級の佐藤鋼太と3回のスパー。ガードを固めて、カウンターを見舞うシーンが再三あった。19勝15KOのハードパンチャー、ロペスの武器は殺傷力十分の左アッパーとフック。まともにいいのを食らえば、佐藤といえども終わってしまう。「ヒリヒリする試合になる。ボクのスピードとロペスのパワー。ロペスのパンチをかわして、カウンターを決める。かわせなければ、やられちゃう。それが、ボクシング」と達観したかのように話した佐藤は「1回はガードの上からたたかせてパンチ力を見たい。あとは、自然体の危険回避能力に任せる。挑戦者の気持ちで、ガードを下げてグイグイ攻めていったら、ロペスも戸惑うかも」と作戦の一端も明かした。

 前日は、6月20日に世界ミニマム級統一戦で歴史的名勝負を演じた同じ岩手県出身の兄貴分・八重樫東と電話で話し込んだ。「当日のテレビ解説をやられるそうで“お前の悪口を言ってやる”と言われました(笑)。八重樫さんのような男らしい試合をしたい。熱くなり過ぎるとダメなので、冷静さと情熱の間で」。当日の使用グラブには「みちのく魂」の文字を入れ、東北へのメッセージも込める。練習後の体重は2キロ減でリミット(52・1キロ)まで300グラム。人事を尽くした本能のパンチで“マジック”を起こす。(竹下陽二)

 

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