日本代表ユニホームを手に、笑顔を見せるグランパスの永井謙佑=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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ロンドン五輪に出場するサッカー男女の日本代表各18人が2日、東京都内で発表され、昨年の女子ワールドカップ(W杯)に続く優勝を狙う「なでしこジャパン」には、4度目の五輪となる沢穂希(33)=INAC神戸=や、主将の宮間あや(27)=岡山湯郷=らが選出された。全員が女子W杯のメンバーで、右膝靱帯(じんたい)負傷から復活した丸山桂里奈(29)=大阪高槻=も名を連ねた。永里優季(24)=ポツダム=は、結婚後の姓、大儀見で臨む。原則23歳以下の男子は、名古屋グランパスの永井謙佑(23)、清武弘嗣(22)=ニュルンベルク=らアジア予選を戦った選手に、宇佐美貴史(20)=ホッフェンハイム=らが加わり、欧州組は計6人。オーバーエージ枠で吉田麻也(23)=VVVフェンロ=、徳永悠平(28)=FC東京=のDF2人が入った。3大会連続4度目出場の女子は、1次リーグF組で25日(日本時間26日)にカナダと初戦を迎え、28日にスウェーデン、31日に南アフリカと対戦。5大会連続9度目の出場の男子は、1次リーグD組で26日にスペイン、29日(同30日)にモロッコ、8月1日(同2日)にホンジュラスと顔を合わせる。
名古屋のスピードスターはロンドンでも自慢の快足で勝負を挑む。愛知県豊田市内で行われた会見で、永井は「自分の長所を最大限に生かす。(外国人選手は)俊敏性のある日本人よりちぎりやすいと思うし、一瞬ならいける」と抱負を語った。海外の大柄なディフェンダーこそ格好のえじき。陸上100メートルのボルトのように、スピードで世界をアッと驚かせる。
五輪は5年越しの夢だった。08年、永井は翌年のU−20ワールドカップ(W杯)出場を懸けたアジア予選をU−19日本代表のエースとして戦った。自身は4得点を挙げる活躍を見せたもののチームは敗退。それ以来、「世界」が永井の頭から離れたことはなかった。
「はざまの世代と言われ、悔しい思いがあった。取り返すには五輪でメダルを取るしかない。五輪予選の最中も権ちゃん(権田)とそんな話をしていた」。当時のU−19メンバーでロンドン行きを決めたのは永井以外に権田と村松だけ。五輪への熱い思いが永井の成長を加速させてきた。
代表選出の吉報は愛知県みよし市内の自宅で昨年9月に結婚した妻の綾香さん(23)と一緒に聞いた。「奥さんはいつも試合を見に来てくれて、『もっと動かなきゃ』とか言ってくれる」。“コーチ役”も果たしてくれる愛妻には、ロンドン行きを新婚旅行として約束していた。これで夫妻の夢もかなう。
直近のJリーグでは4試合で6ゴールを量産。絶好調で26日の初戦・スペイン戦を迎える。永井は「相手はユーロで優勝したスペインのU−23。世間は厳しいと思っているかもしれないけど、サッカーはやってみなければわからない」と番狂わせを“予言”。待ちに待った舞台で縦横無尽に走り回る。
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