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政治
北方領土ビザなし訪問団 進むロシア化 韓国企業も進出
HYUNDAIの重機
択捉島中央部にある内岡(なよか)港。訪問団の船が入港すると、韓国自動車大手「HYUNDAI(現代)」製の重機が土砂の積み降ろしをしていた。ロシア人島民によると港湾整備に韓国企業が参入し、約40人の韓国人が島で働いているという。
国後島の建設現場でもアジア系とみられる作業員が目立った。南クリール行政区のソロムコ区長は「日本の企業にも工事に参加してもらいたい」と水を向けてきた。日本政府はロシアに管轄権があることを容認しかねないとして日本企業の活動を禁じているが、ロシア側が今後揺さぶりを強めてくる予兆といえる。
「日本の立場を害さない枠組みで、何ができるか考えなくてはいけない」
野田佳彦首相は3日、2年ぶりに訪問団に同行した新党大地・真民主の鈴木宗男代表からロシア化の現状について報告を受けると、危機感を口にしたが、妙案があるわけではない。それどころか、6月のメキシコ・ロスカボスでのプーチン氏との初会談で、領土交渉の「再活性化」で一致した矢先のメドベージェフ氏の国後訪問は、顔に泥を塗られたに等しい。
14歳で強制送還されるまで択捉島に住んでいた井桁美智子さん(78)は「故郷がなくなったまま終わりですかね。さびしいけど…」と言葉少なだった。
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