2012-07-02
Operation Japanを時系列にまとめてみた。
インシデントまとめ | |
6月20日、参議院本会議で賛成多数をもって違法ダウンロードの罰則化を含む改正著作権法が成立しました。この改正著作権法の動向に合わせて、インターネット上でも「Operation Japan」と呼ばれる活動が行われています。ここでは時系列にOperation Japanの活動をまとめてみます。
Operation Japan 時系列まとめ
Operation Japanは大きく3つの活動に分けられ、それぞれの活動の主要人物も異なります。反ACTAデモはACTAへの抗議活動として4,5月頃より署名やデモの準備が行われていたもので、OperationJapanも当初は反ACTAへの合法的抗議活動の1つとして宣言されたものでした。この宣言はTwitter上で日本のアノニマスとして活動するメンバーを中心に行われたものです。改正後に起きたDDoSや改ざんは#OpJapanのIRCにいるメンバーの他に、6月29日のJASRACや経団連アクセス不可等の誰が行ったのかわからないものや、直接関係はないもののOpJapanタグがつけられたFailSecurityTeamによる改ざんと複数の登場人物が存在します。そしてAnonymous Cleaninig Serviceは#OpJapanの日本語用IRCとして開設された#OpJapan-Jpチャンネルのメンバーが中心となっています。
日付 | 分類 | 出来事 |
6/8 | 改正著作権法 | 衆院文部科学科目委員会に著作権法改正案が付議*1 |
6/9 | 反ACATAデモ | 反ACTAデモが仙台で行われる。*2 |
6/15 | 改正著作権法 | 衆院文部科学委員会で自民・公明が刑事罰化を盛り込む修正案を提出し可決。*3その後衆院本会議でも可決*4 |
6/16 | 反ACTAデモ | 反ACTA活動としてOperationJapanが宣言される。 |
6/20 | 改正著作権法 | 参院文教科学委員会で可決後*5、参院本会議でも賛成多数で可決*6され、改正著作権法成立。 |
6/22 | DDoS・改ざん | 海外で日本の違法ダウンロード罰則化が取り上げられる。*7 |
6/25 | DDoS・改ざん | OpJapan用のTwitterアカウントが開設され、政府への宣言文が公開される。*8 |
6/25 | DDoS・改ざん | IRCにOpJapanチャンネルが開設される。 |
6/26 | DDoS・改ざん | 財務省国有財産情報公開システムのサイトが改ざんされる。*9 |
6/26 | DDoS・改ざん | 裁判所サイトがDDoSを受け一時アクセス不可(20:49〜21:40の約50分間)となる。 |
6/26 | DDoS・改ざん | 国土交通省関東地方整備局霞ヶ浦事務所サイトが改ざんされる。*10 |
6/26 | DDoS・改ざん | 自民党サイトがDDoSを受け、一時アクセス不可となる。 |
6/26 | DDoS・改ざん | 民主党サイトがDDoSを受け、一時アクセス不可となる。その後6月30日まで民主党が攻撃対象として設定される。 |
6/26 | A.C.S. | #OpJapanチャンネルが和英混在状況となり荒れ始めたため、日本語用に#OpJapan-JPチャンネルが開設される。 |
6/27 | DDoS・改ざん | JASRACサイトのアクセス負荷があがり、その後管理者により安全点検のためサイト停止措置が取られる。*11 |
6/27 | DDoS・改ざん | 経団連サイトが一時アクセス不可となる。 |
6/29 | DDoS・改ざん | FailSecurityTeamにより本件とは直接関係の無い20の日本のサイトが改ざんされる。その後改ざん宣言に#OpJapanがつけられる。 |
6/29 | DDoS・改ざん | 民主党からJASRACサイトへ攻撃対象が変更され、DDoSにより一時アクセス不可となる。 |
6/29 | A.C.S. | 合法的活動として街中を清掃活動するOp A.C.S.が宣言される。 |
7/1 | A.C.S. | OperationJapan 公式サイトが開設される。 |
7/7 | A.C.S. | 渋谷にて第1回OFF会開催が予定される。 |
なお、深夜未明にまで行われたものについては前日に含めて記述しています。
一連のタイムラインをそれぞれ分類別に整理した表はこちら。
失速気味の#OpJapanと盛り上がる#OpJapan-Jp
6月25日の宣言に始まり翌日は政府系サイトが改ざんやアクセス不可となる等、マスメディアにも大きく取り上げられ活発であったOpJapanチャンネルのメンバーを中心とした活動も、IRCを見ると日が経つにつれ停滞状態となっています。それとは逆に日本人が中心となっているOpJapan-Jpチャンネルは開設以降活発化しており、合法的な活動として街中を清掃するOperarion Anonymous Cleaning Serviceを発表しています。
まとめ
DDoS等を中心的に行ってきたグループは勢いが失速気味ではありながらも活動自体は継続中です。また反ACTAだけでなく、原発稼働に関連したつぶやきもみられ、何かしらのきっかけにより突如として勢いづく可能性は十分あります。とはいえ突発的な事態に急に対応できるほど器用な組織は正直多くないと思います。DDoSを受けた際の対応手順や改ざん被害を受けないためのチェックの他、不正アクセスを受けてもすぐ把握できる運用等、日頃からの備えが何より重要だと考えます。