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経済
【路線価】好調のキタと阿倍野に挟まれ御堂筋空洞化 橋下効果に期待の声も
2012.7.2 12:18
[激動!橋下維新]
大規模再開発が進むJR大阪駅(大阪市北区)周辺と近鉄大阪阿部野橋駅(同市阿倍野区)周辺の2地点のみが前年比で上昇に転じた一方、“挟み撃ち”に遭った淀屋橋~難波の御堂筋周辺が低迷している。
「西日本一 263メートル到達」。天に向かって伸びる超高層ビルの壁面に文字が躍る。6月14日に鉄骨の高さが西日本一となった阿倍野地区の「あべのハルカス」西側の路線価は、近畿で最大の伸びを示した。
向かいの商業施設「あべのマーケットパーク キューズモール」が昨年4月の開業から1年で、目標の来館者数を59%も上回る2700万人を集めるなど好調に推移。不動産関係者は「ハルカスとの相乗効果で今後さらに集客力がアップするとの期待感が路線価を押し上げた」と分析する。
同様に再開発が進むJR大阪駅北側の「うめきた」も上昇した。立地評価研究所の若崎周社長は「大阪市内は、利便性の高いキタと集客に成功した阿倍野の二極化が進む半面、御堂筋周辺が“地盤沈下”している」と話す。
オフィスの転出が目立つ御堂筋沿い。
大手商社「伊藤忠商事」は昨年8月、本町に構えていた大阪本社を、大阪駅直結のビルに移転。担当者は「アクセスの良さが大きな魅力」と語る。
不動産経済研究所の石丸敏之所長は「御堂筋周辺の空洞化は今後も続く」と予想する一方、大阪都構想の実現による都市力アップを目指す橋下徹大阪市長の手腕に期待を寄せる。「“橋下効果”で行政と経済が一体化しつつある。流れがさらに加速すれば、将来への期待感から御堂筋周辺の開発機運が高まり、路線価好転の可能性も出てくる」
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