『「有名人になる」ということ』好評記念対談(1)

【対談】勝間和代・安藤美冬「自分の仕事は周囲が決める?」

2012.07.02


――勝間さんも、いま安藤さんがおっしゃったようなブランディングは、考えてこられたのですか?


勝間 ある程度、努力はしましたね。例えば自書の表紙の見せ方や写真映りなど、編集者さんから提案されたりしたことには、できる限り応えよう、とか。あと、「有名人になる」という取り組みに臨むにあたって、専門のPR会社さんにもついてもらったんですが、正直なところ、最初は「どうかな?」と思うところもあったんです。ただ、専門の方が考えて、提案してくださるのだから、まずはそれに倣ってみようと。私も勉強したことない領域でしたから、お任せして、勉強させてもらおうと。そういう感覚でした。


――よく「今の20~30代は目標がない」「覇気がない」「欲がない」などと上の世代から指摘されますよね。やりたいことを問われても「よくわからない」としか答えられない、みたいな。そんな時、「とりあえず依頼されたことに真摯に対応していく」「そうすることで、次第に仕事の輪が広がっていく」といった働き方・生き方は、なかなか賢い戦略なのかな、とも思えます。


勝間 ええ。なにより、そういう生き方を採るほうが、実はブルーオーシャンの開拓がしやすい一面がある。「自分がやりたいことはコレだ!」と強い信念で打って出たとしても、そう考える人がほかにもたくさんいて、さらには先行して商売をしている人もいて......と、ものすごく混んでいるマーケットかもしれない。対して、自分の大まかな関心領域や得意ジャンルを明らかにして、来たオファーに応えていくかたちであれば、ニーズを持つ側が向こうから来てくれる。ニーズがある、というのはほかにそういうことをやってくれる適任者がいない、ということでもあるから、結果、ブルーオーシャンを開拓できてしまうかもしれない、という具合です。ただ、そこで留意しなきゃいけないのは、単なる下請けにならないようにすること。そのあたりのバランス感覚は問われてくるでしょうね。


※(2)へ続く


<おすすめ記事>
高額給与は社員のためにならず...倒産した元人気企業社長の告白
グッチ元人事部長、転職より前にまず今の仕事を再デザイン!
グッチ元人事部長、転職に失敗しない極意は"長時間労働"!


●勝間和代(かつま・かずよ)
1968年東京生まれ。経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶応義塾大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍中。少子化問題、若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言をしており、ネットリテラシーの高い若年層を中心に高い支持を受けている。


●安藤美冬(あんどう・みふゆ)
株式会社spree代表取締役社長、自分をつくる学校学長。1980年生まれ、東京育ち。
慶応義塾大学、集英社を経て11年1月独立。ソーシャルメディアでの発信とセルフブランディングを駆使し、複数の仕事、複数の肩書で仕事をする独自のノマドワークスタイルは、「一切営業することなく仕事をするフリーランスの女性」としてジャーナリスト佐々木俊尚さんに紹介されるほか、『情熱大陸』『ニッポンのジレンマ』朝日新聞などのメディアでも多数取り上げられる。書籍の企画、イベントプロデュース、野村不動産、リクルート、東京ガスなど企業が参画する「ポスト団塊ジュニアプロジェクト」のアドバイザリー業務、自らが学長を務めるセルフブランディングをテーマとした「自分をつくる学校」の運営など、多岐にわたる仕事を手がけ、新しいワーク&ライフスタイルのオピニオンリーダーとしての活躍が期待されている。

『「有名人になる」ということ』


勝間和代氏の最新刊


amazon_associate_logo.jpg

オススメ

Facebookコメント