サムスンエバーランドはサムスン生命保険の株式を19.3%保有。サムスン生命がサムスン電子、サムスン物産、サムスンカード、サムスン火災海上保険などの大株主になっている。
サムスンエバーランドという非上場企業を通してオーナー家がグループ全体を支配しているのだ。
さらに複雑なのは、サムスン電子が大株主になっているサムスン電機やサムスンSDI、さらにサムスン物産や第一毛織などが逆にサムスンエバーランドの大株主になっていることだ。
オーナー家→サムスンエバーランド→サムスン生命→サムスン電子→サムスン電機→サムスンエバーランドという奇怪な「循環出資」の構造になっているのだ。
李健熙会長のグループ企業に対する持ち株比率は、サムスン生命20.8%、サムスンライオンズ(野球球団)2.5%、サムスン電子3.4%、サムスン物産1.4%、サムスン総合化学1.1%、サムスンSDS0.01%など。それでもグループ全体を支配できるのは「地下鉄路線図」と言われる支配構造のためだ。
支配力の秘密は内部持ち株比率の高さ
サムスングループだけではない。現代自動車グループは、サムスングループのサムスンエバーランドのような1つの中核企業を介した支配構造ではない。現代自動車、起亜自動車、さらに部品大手の現代モービスなどが組み合わさって複雑な構造になっている。
現代自動車→起亜自動車→現代モービス→現代自動車、さらに現代自動車→起亜自動車→現代製鉄→現代モービス→現代自動車という出資構造だ。
鄭夢九会長の現代自動車持ち株比率は5.2%、長男の鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車副会長は起亜自動車株を1.7%保有している。これだけの比率でグループを支配しているのだ。
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