韓国の財閥オーナーは絶大な権限を握っている。大型投資、役員人事、M&A(企業の合併・買収)・・・。オーナー会長の素早い意思決定が韓国の財閥の強さの源泉の1つであることは間違いない。
だが、オーナー会長の持ち株比率が実は1%にも満たない。サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長(70)の持ち株比率は0.52%だという。そんな調査結果を韓国の公正取引委員会が発表した。では、どうやってグループを支配しているのか・・・。
持ち株比率がなんと0%の財閥オーナーも
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韓国の公正取引委員会は2012年7月1日、「2012年大企業集団の株式所有現況」を発表した。63の大企業集団のオーナー一家と系列企業間の株式保有実態についてすべてを調べ上げ、これを公表した。
その結果、オーナー会長の持ち株比率があまりに低いことが改めて明らかになった。
全系列企業に対してどれだけの株式を保有しているかを示すオーナー会長の持ち株比率を見ると、李健熙会長のほかにも、現代自動車の鄭夢九(チョン・モング)会長2.08%、SKの崔泰源(チェ・テオン)会長0.04%、LGグループ具本茂(ク・ボンム)会長1.26%、ロッテグループ重光武雄会長0.05%、現代重工業の鄭夢準議員1.08%、ハンファグループの金昇淵(キム・スンヨン)会長1.15%などであることが分かった。
錦湖アシアナグループの朴三求(パク・サムグ)会長にいたってはなんと0.0%だった。
家族を合わせても、サムスンの李健熙会長0.95%、SKの崔泰源会長0.6%、錦湖アシアナの朴三求会長1.18%で、「グループ全体の支配者」からは程遠い株式保有比率だ。
では、一体どうやってグループを支配しているのか。公取委は同日、グループごとの支配構造をまとめた「オーナー一家と系列企業との出資相関図」を公表した。
ソウルの地下鉄路線図より複雑な支配構造
本来ならこの図を見れば支配構造が「ひと目で分かる」はずだが、あまりに複雑すぎて、目が痛くなるほどだ。韓国メディアは「ソウルの地下鉄路線図よりも複雑だ」と評したが、その中身をよく見ると、韓国財閥の支配構造の実態がよく分かる。
例えばサムスングループ。支配構造の中核にあるのは非上場のサムスンエバーランドだ。レジャー施設やゴルフ場などを保有・運営する優良企業だ。同社の株式を李健熙会長が3.7%、長男でサムスン電子社長である李在鎔(イ・ジェヨン)氏が25.1%保有している。
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