民主党の小沢一郎元代表が1日、離党を目前に控え急きょ地元・岩手入りした。再出発を前にお膝元で存在感をアピールし、「小沢王国」の結束を図った形だが、盤石のはずの地元でも小沢系議員に不安が広がる。「民主党を立て直すことが最優先だ」。法案採決前に、複数の岩手県選出議員が小沢氏に慎重な行動を求めたのは異例。懸念はグループ全体に及ぶ。離党を見込む四十数人の大半は選挙基盤が弱い当選1回生。野田佳彦首相は「分党」を否定し、政党交付金の分割に応じないため、早期の衆院解散・総選挙に臨むには資金面の心配も募る。
法案に反対した辻恵衆院議員は堺市の会合で「9月の代表選でまともな人を選べば民主党は衆院選に勝てる。増税法案を葬り去り、本当の政治主導が実現する」と残留に未練を残した。若手議員も「新党がうまくいくはずがない」。再出発後の展望はなく、地元や周囲には悲観論も出ている。