当協会は、「違法配信に関する利用実態調査」を2010年8月に実施し、このたび報告書をとりまとめました。本調査は、近年、増加を続ける音楽や音楽ビデオクリップなどの違法な配信の利用実態を把握し、今後の効果的な対応策の検討材料とすることを目的に実施したものです。
今回の調査は、パソコンと携帯電話における違法ファイルなどの利用状況を調べており、動画配信サイトからのダウンロードの利用率が29.6%、認知率が68.1%と、いずれもP2Pファイル共有ソフトやその他のパソコンサイト、携帯電話向け掲示板サイトなどより高い割合を占めていることが特徴として挙げられます。
調査結果の主なポイントは以下の通りです。。
【違法ファイル等の認知・利用率】
動画配信サイトの利用率は29.6%、認知率は68.1%、P2Pファイル共有ソフトの利用率は5.0%、認知率は44.6%、その他のPCサイトの利用率は10.4%、認知率は49.3%、携帯電話向け掲示板サイトの利用率は9.4%、認知率は55.3%。
【違法ファイルのアップロード経験率】
違法サイト等利用者のうちのアップロード経験率は18.8%で、認知率は65.3%である。
【違法ファイル等の推定ダウンロード数】
違法ファイル等の(※1)推定ダウンロード数は43.6億ファイルであり、正規有料音楽配信の2010年ダウンロード数4.4億ファイルのおよそ10倍である。また、これを正規音楽配信の販売価格に換算すると(※2)6,683億円となり、正規音楽配信の2010年間売上860億円のおよそ8倍に相当する。
※1:違法ファイル等の推定ダウンロード数は、「日本の人口」(平成17年国勢調査よ り)に「ダウンロード利用率」および「平均ファイル数」(いずれも当協会2010年8月調査)を乗じて、年代・形態別に算出した。
なお、この推定ダウンロード数には、違法ファイルのダウンロードのほか、閲覧のみが許可されているレコード会社の公式ストリーミングサイト等からの不正ダウンロードを含む。
※2:正規音楽配信の販売価格は、当協会の有料音楽配信統計(2010年1月〜2010年12月期)平均単価データに基づき算出した。
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