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29日の「20万人集会」では主催者(首都圏反原発連合)で側は「今日の集会は成功しました。お帰りください」と集会の解散を促していましたが、その理由は「次の集会や催しの継続のために」ということでした。しかし、そうした集会が「整然と」、規制にしたがってお行儀よく解散している限り、力にはならないんじゃないでしょうかねえ。
我々の目的は「再稼働の阻止」です。政府が「再稼働する」と言っているものを「阻止」するんですから、当然にも譲歩できない線があるはずです。主催者のアナウンスは「次の集会のために今日は帰りましょう」と言っていましたが、もう政府は決断し実行にうつそうとしていたのです。そこで「次」ってなんでしょうか? 「次」とはもう再稼働されたあとの事に他なりません。せめて一晩だけでも、首相官邸前で座り込みができれば、かなりちがった様相となったように思います。
中東・アフリカの人々は集会解散を命じられても動くことなく、政府を追い詰めていきました。沖縄の人たちだって、普天間基地の辺野古移設阻止のために実力で基地前の座り込みを行っています。高江のヘリパッド基地建設阻止のための行動も同じです。東京では私たちは経産省前の小さな敷地の「解放区」化を既成事実として勝ち取っています。29日夜は、その「解放区」を一時的にせよ首相官邸前周辺に拡大するチャンスでした。それができなかったのは原発再稼働に対する「本気度」の違いでしょうか? あるいは「権力に立ち向かう」という事の意味が風化してしまったからなのでしょうか?
別にヘルメットをかぶって英雄的に闘わなくてもいいけど、少なくとも、今回はチャンスでした。あそこで、もう少しがんばれたんじゃないかと思うんですね。あと2時間でも3時間でも、あるいは夜明かしして始発電車まででも。それがまったくできない。60年安保の時にはできたことが、72年の村雨橋や相模原補給廠前でできたことが、今はできないということが、アメリカやヨーロッパで起こっている民衆の闘いを日本ではできないことの原因なのではないかという気がします。
残念ながら再稼働のための作業は着々と進んでいます。現地で数百人の反対派が機動隊に排除されたそうです。しかし数万人いたら、排除はできなかったでしょう。首相官邸前行動は29日で終わりではありません。次回、首相官邸前に結集した時はぜひ「整然と時間を守って帰る」のではなく、あくまでも座り込みを追及しましょう。1時間でもいいから長く居続けましょう。
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