http://www.nhk.or.jp/special/onair/100901.html
荒川の堤防を、ピラミッド・ストーンを使ってかさ上げしたり(スーパー堤防化)、高潮に対応する防潮堤にしたりすることが簡単にできます。なお、津波は海面から海底までの海水全体が「体当たり」してくるものであり、高波や高潮の表面的な「波」「潮」と明確に分けて考える必要があります。
2010年2月28日のチリ地震津波の際、日本テレビは「海岸から離れてください」という放送法に定められた放送局の使命を果たさず東京マラソンの芸能人を追う報道ぶりでした。冬だからよかった。夏場のビーチに50cmの津波が襲来したら・・・
津波被害 河田恵昭著 岩波新書
<引用開始>
50センチなら大丈夫なのか?
小さな子どもたちと一緒に海水浴を楽しんでいる最中に、津波注意報が発令されたとき、あなたはどうするだろうか?「津波の高さは低いから大丈夫だ!」と勝手に判断してそのままいると、とんでもないことになる。たとえば、浮輪やビーチボールにつかまって浮いている子供は、沖に一キロメートル以上も流される危険がある。
水の深さが50センチメートル程度の波打ち際に立っていて、そこに高さ50センチメートルの津波が来たら、あなたはそこに立っていられるだろうか?まず、50センチメートルの深さのところに高さが50センチメートルの津波が加わると、海底から海面まで一メートル深さの海水が、鉛直方向にほぼ一定の速度で、岸に向かって流れてくると考えてよい。そのときの流速は、津波の波長によって変化するが、およそ、毎秒二メートルである。しかも海底の砂や砂利を巻き上げてやってくる濁流である。そのとき身体にはおよそ0.三トン強の力が働く。立っておれずに転倒して、津波と一緒に流されることは間違いない。
<引用終了>
五十嵐文彦財務副大臣のブログから
水害想定の大本営発表
2010.04.05 Monday
<引用開始>
さらに、4月2日付けで発表された中央防災会議大規模水害対策に関する専門調査会報告について、私から「堤防決壊や台風による高潮被害は、逃げる暇なく突発するわけではなく、避難の余裕がかなりあるはずで、被害想定(利根川決壊で死者6300人)は過大ではないか。八ッ場ダム建設の後押しをしているのではないか」と質しました。避難率ゼロ%というありえない想定の数字を発表し、センセーショナルに報道させることは不自然です。官僚からは「専門家のシミュレーションなので」という言い訳がありましたが、往々にして学者と言われる人たちは官庁に迎合した数字を出してくるので、よく精査してみたいと考えます。
<引用終了>
http://blog.garachan.com/?day=20100405
私は、4月3日に以下のようなレポートを五十嵐議員に送っています。
中央防災会議報告書「首都圏水没」を参議院選に利用されないために
なんとも巧みで稚拙な報告書です。だから八ッ場ダムは必要と言いたいのでしょうか。
<引用開始>
中央防災会議の専門調査会は2日まとめた報告書に、超大型台風が東京湾を襲った場合の高潮の被害想定を盛り込んだ。浸水面積が琵琶湖の半分近くの約2万8000ヘクタールに及ぶ最悪のケースでは、死者が約700人に達し、孤立者数がピーク時には約80万人に達すると推計した。報告書は市区町村を超えた広域避難の必要性を指摘し、自治体に連携して避難計画を策定することなどを提言した。
調査会は死者行方不明者3000人超の室戸台風(1934年)と、同5000人超の伊勢湾台風(59年)クラスの台風による被害を想定。温暖化の影響で海面水位が上昇したケースや、漂流物により水門が閉鎖できないケースなど6パターンの被害を推計した。
<引用終了>
突然発生した阪神淡路大震災以上の死亡者が出ると脅していますが、あまりにも乱暴です。台風は被害を予できる襲来型の災害であり、国家の危機管理センターが機能していればこのようなおびただしい数の死者が出る訳がありません。
唯一、このような死者が発生する条件は、チリ地震による津波襲来時の日本テレビのように、マスコミが放送法に即した報道を行わず、国民も台風を脅威と感じない状況が生み出された場合ですが、常識的に考えればあり得ないことです。
伊勢湾台風(台風15 号)を参考に、中央防災会議の報告のデタラメさを明らかにしたいと思います。
<引用開始>
23 日15 時にはアメリカ軍の気象観測飛行機により894 ミリバールが観測された。中心付近の最大風速75メートル(アメリカ軍の観測では90 メートル)、風速25 メートル以上の暴風雨圏(暴風域に同じ)は半径300キロメートルであった。
台風第15 号はその後も余り衰えることなく、9 月25 日昼頃まで900 ミリバール前後の猛烈な勢力を保ち進路を北西から次第に北に転じて26 日9 時には潮岬の南南西400 キロメートルに達したが、その時でもなお中心気圧920 ミリバール、最大風速60 メートル、暴風雨圏は東側400 キロメートル、西側300 キロメートルという、非常に強い超大型の台風であった。
台風は26 日18 時過ぎ、930 ミリバールの勢力を持って潮岬の西15 キロメートル付近に上陸した。26 日朝までの進行速度は毎時30 キロメートル以下であったが次第に加速して、上陸後は60~70 キロメートルで紀伊半島を縦断し、中央高地を経て27 日0 時過ぎに日本海に抜けた頃には90 キロメートルにも達している。
<引用終了>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E6%B9%BE%E5%8F%B0%E9%A2%A8
伊勢湾台風は、上陸3 日前は中心の最大風速が75〜90 メートルとアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナ上陸時の最大風速とほぼ同じですが、3日後の伊勢湾台風の上陸時の最大風速は45 メートルほどでした。
<出典>
「わが国の台風と米国のハリケーンとの比較」
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/past_shinngikai/shinngikai/takashio/051013/s3.pdf
伊勢湾台風の襲来は1959 年です。アメリカ軍からどの程度の情報が提供されていたのかは分かりませんが、当時はラジオがあれば良い方で、人々の情報量の少なさは現在の比ではありません。
ディズニー・テーマパークでは、台風の接近に伴い、レベル1〜レベル3 の警戒レベルに即した対応を行います。
同様に、日本全国で官邸から指揮命令系統を通じたレベルに応じた避難と警戒を行えば、被害は最小限に抑え
られます。堤防決壊で6300人が死亡することはないと断言できます。
台風の科学的分析技術もさらに進み、予想される雨量などの被害をもたらす情報の精度も高まっていくに違いありません。「堤防の決壊」が前提になっていますが、地下には巨大な雨水路も建設されています。中央防災会議は、6300 人が死亡すると結論付けているのですから、堤防の強化と良性公共事業である地下の雨水路づくりの予算の必要性を訴えるべきであると私は考えます。
さて、報告書ではインフラも大打撃を受けるとされています。
中央防災会議:利根・荒川決壊想定、121万世帯で停電−−ライフライン被害
<引用開始>
中央防災会議の専門調査会は2日、利根川や荒川の決壊による大規模水害の対策に関する報告書をまとめた。被害想定によると、荒川の決壊では最悪の場合、首都圏で約121万世帯が停電し、携帯電話約93万台が不通になるなどライフラインが甚大な被害を受け、復旧に数カ月以上かかる恐れがある。ライフライン事業者は大規模な河川の決壊を想定しておらず、報告書は設備の防水対策強化や供給ルートの多重化などを提言した。
<引用終了>
最悪の状態を想定することは良いことですが、専門調査会には、NTTドコモの社長や東京電力の取締役も名を連ねていることを考えると・・・何か変です。
129 ページもある調査報告書の内容は、「読むのも嫌になる」ものであり、専門医委員会のメンバーが議論して取りまとめられたたものではないように感じます。裏で官僚が書いたものを積み上げていったのでしょう。
私の出した結論は「専門調査会のメンバー一人ひとりにヒヤリングする」というものです。おそらく、誰ひとり根拠を語れないに違いありません。NTTドコモの社長が報告書の内容を理解しているとは思えません。
資料1 大規模水害対策に関する専門調査会報告首都圏水没〜被害軽減のために取るべき対策
とは〜 概要版(PDF:2.40MB)
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/suigai/100402/100402_shiryo_1.pdf
資料2 大規模水害対策に関する専門調査会報告首都圏水没〜被害軽減のために取るべき対策
とは〜(PDF:5.53MB)
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/suigai/100402/100402_shiryo_2.pdf__
<転載終了>
日本テレビの大罪は許されるべきものではありません。日本テレビは『最後のパレード〜ディズニーランドで本当にあった心温まる話』の盗用報道も、読売の讒言記事をそのまま電波に乗せ、全国に私を「悪者」のように印象づけています。
このような放送局や新聞社には、私の有する知財ついて一言でも報道する権利はありません。