【社説】韓国財閥、オーナー経営の問題点

 韓国の10大企業グループのオーナーによる持ち株比率が、今年4月現在で平均0.94%となり、史上初めて1%以下に落ち込んだことが分かった。公正取引委員会によると、10大企業グループの系列企業数は600社、時価総額は737兆ウォン(約51兆円)で、株式市場全体の60%を占める。昨年の売上高は958兆ウォン(約66兆円)で国内総生産(GDP)の77%を占めた。総資産は763兆ウォン(約53兆円)で、政府の総資産(1523兆ウォン)の半分に達する。10大企業グループのオーナーは1%にも満たない持ち株で、これだけの巨大企業集団を支配していることになる。

 株式会社の株主は、保有する株式に相応する議決権と配当請求権を行使するのが原則だ。そうした基本原則は、韓国の財閥オーナーには通用しない。

 10大企業グループのオーナーの持ち株比率は、1993年の平均3.5%から今年の0.94%へと急低下した。しかし、その影響力は逆に拡大した。系列会社間で株式の持ち合いを行った結果、財閥オーナーは自己資金ではなく、系列企業の資金で出資を行い、オーナーの意に沿う友好的株主による出資比率を同じ期間に44.4%から55.7%へと高めた。

 韓国の大企業が世界的な水準へと飛躍するまでには、現代の鄭周永(チョン・ジュヨン)、サムスンのイ・ビョンチョル、LGの具仁会(ク・インフェ)の各氏ら優れた財閥創業者の判断力、決断力が企業の成長をけん引した。しかし、財閥2世、3世は先代のリーダーシップ、判断力、決断力を受け継げず、財産だけを相続したケースが多い。その過程で脱法的な経営権継承、相続税の脱税、背任、横領といった脱線行為が後を絶たなかった。

 財閥のオーナーは持ち株が少ないため、企業が巨額の収益を上げても、受け取れる配当は少ない。このため、系列企業の発注を子女の企業に集中させる手法で、企業の成果を株主ではなく、子女に持っていかせ、企業に損失を与えることすらある。世界経済の専門家は、韓国企業の株価が過小評価されるのは「オーナーリスク」があるためだと分析する。与野党を問わず、財閥改革を求める声が上がるのは、オーナー経営の副作用に対する国民の批判が高まり、それを問題視することが得票につながると判断しているからだ。

 財閥オーナーはいつまでもこうした波紋を臨機応変に乗り切ろうとしてはならない。財閥自らが支配構造やオーナー経営の持続可能性について考え、代替案を探る必要がある。一時しのぎではいけない。

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