サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の長男、李在鎔(イ・ジェヨン)社長はこのほど、「生産競争力」で勝負を挑んでいく姿勢を鮮明にした。
李在鎔社長は6月29日、申宗均社長(携帯電話担当)、尹富根(ユン・ブグン)社長ら同社首脳陣とともに、ベトナムの携帯電話端末工場を訪れ、製造戦略会議を開いたことが分かった。
関係者によると、李在鎔社長のベトナム訪問には、サムスン電子だけでなく、サムスン電機、サムスンSDI、第一毛織などグループ企業の幹部240人が同行したという。サムスングループの生産関連の系列企業9社から幹部が集まるのは異例のことだ。
■体制再編後初の動き
ベトナム工場は、サムスン電子が全世界で操業している携帯電話端末工場6カ所のうち、規模が最大だ。2009年に本格稼働してから3年足らずだが、昨年は1億台以上を生産し、同社が世界市場で首位に立つ上で大きく貢献した。
サムスン周辺では、李在鎔社長のベトナム市場訪問が、サムスングループ内部の「激変」後、最初の公式行事である点に注目している。サムスンは先月、未来戦略室長を急きょ交代し、新たな経営体制を構築している段階だ。強いカリスマ性でサムスン電子を率いてきた崔志成(チェ・ジソン)副会長がグループの未来戦略室長に異動したことを受け、サムスン電子社内での李在鎔社長の役割に関心が高まっている。