落胆と感動
恐怖さゆえ
外も歩けない 人が近くにいると半狂乱 大きな犬には ちじみあがり
とても 外の環境に順応 出来ずにいて
当然 その外の世界で エサを探す勇気もなければ 水を探す 知恵も
ないわけだ
この２匹の兄弟は・・・
そんな この恐怖のビビリ犬が
私の不注意から 昨夜 外に飛び出して 家の外に 逃げてしまった・・・
同居している チビの黒ワンコも心配なのか はたまた寂しさからなのか
一晩中 吠え叫んでいた・・
初めて 味わう解放感が 勝るのか
初めて 体験する （外の厳しさ）が 勝るのか
それとも どちらが勝っても 間違いなく この私 この人間がいる
この家に 自分の意思で帰ってくることは 極めて 望みが薄いと 強く感じ
警察会計課 最寄の保健所 最寄の動物愛護センターなどに迷子の届けを出した
携帯の充電器を噛みちぎった時・・
パソコンの同軸ケーブルを噛みちぎった時・・
あの時 怒ってしまったことを悔やんだり
解放感を 与えるためとはいえ 怖がらないでゲージから 少しでも 出て遊んで
欲しいとの願いも あって 留守中にまで ゲージの扉を開けていたのが
逆に 大失敗となってしまった・・・
そして 一夜明けて 出勤前に 一時間ほど家の付近の探索もむなしく
みつからず・・
夜中の９時 落胆しながら 会社から帰宅
動揺してたのか 家の明かりを 全くつけず 出たらしく 家の中は真っ暗で
チビ黒のワンコが一人ぼっちで 真っ暗な中 おおはしゃぎで 玄関にいた
いつもより かなりのはしゃぎように 慌てて家の電気を つけようとした 瞬間
ベランダのあたりに 何かが 座っている影が ハッキリ見える・・・・・・・・・・
真っ暗な リビングの片隅に 何かが ジーっと こっちを 見つめている・・・・・・・・
暗闇の中 絶句と感動の電流が 自分の体に 一瞬に走りぬけた・・・・・・・・・
疲れ果て
とても 緊張した 面持ちで 弟の方だけだが 帰ってきてくれた・・・・
体は汚れ 怪我をしたらしく ビッコを引いた姿が痛々しく おもむろに 自分のゲー
ジに入り 寝転がって ジーッとこちらを 見ながら 〔僕ここも怖いけど外のほうが
もっと怖くて 大変だってのが わかったよ〕と つぶやいて いる
そして 倒れこむように
寝転がって しまった
あまりの感激で 今日の自分のおかずの鶏肉を あげて
私の愛用の ムートンのクッションを あてがえ （写真が興奮のあまりアングルが変・・）
とにもかくにも ２５時間の彼の未知と恐怖の旅は 後ろ足の怪我と
私に 落胆と安堵を与えて 終わった
いや・・ しかし まだ兄貴が 行方不明だ・・・
おそらくは その辺を さまよって 外の怖さと 空腹感に耐え切れず
明日の朝までには 帰ってきてくれることを 信じ
風も強く 少し物騒だが ベランダのドアを 今夜も 全開にして 待つことに しよう
恐怖よりも 怖い 外の世界を しっかり経験して
たとえ嫌でも いつも目の前に ごはんと水がある ありがたさを
まず わかることを期待しながら 今夜も明日も ドアを 開けておこう・・・。