2012年07月02日

大飯再稼働とヨウ素剤内服非公式マニュアル(自己責任で)

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この抗議行動についての生の声は、大飯原発の再稼働について、現場で起きていた本当のこと。をお読みください。等身大のレポートです。

 ついに大飯原発が再稼動されてしまいました。首相官邸前に10万人以上が集まる大きなデモがあったにもかかわらず、首相は、「大きな音だね」と発言しました。もはや、日本語さえわからなくなっているようです。そして、この大飯再稼働では、上述に示すとおりに、非暴力のデモが機動隊とにらみ合いました。残念ながら、日曜日の深夜に撤収となりましたが、十二分に怒りを表せたと思います。
 このようなことを一般市民にさせておきながら、悪いことをしているとつゆほども感じていない関西電力。どの面下げて、公益企業とうそぶくのでしょうか。地獄の釜のふたを開けておきながら、なんにも感じない、信じられません。一週間でも、フクシマの収束に従事してみろと本当に言いたいです。自分たちの会社が、東電ほどはきちんと安全対策をしていないことは十二分に知りながら、誰もなんとも言わない。そして、どこからも内部情報が漏れてこない。もはや、この会社は存在価値はありません。国民は決して忘れません。

 日本の電力会社=マフィア

どころか、マフィアはきちんと筋を通しますから、こういわれるとマフィアが怒りますね。私は東電社内にいましたが、3年以上勤めるともはや、言うがままのサラリーマンになりますから、良識的な声を期待しても無駄なことです。自分がいかに愚かなことをしているかなど、全くわかっていない。そして、それを産業界も政府も支持している。そして、マスコミも。

 昨年の夏に同窓会がありました。九州電力の原子力関係にかかわっている人間がいましたので、「原子力がいかに危険かと言うことがわかっただろう?」と話しますと、「オレは、原子力は危険とは思わん。」と言い放ったので、腰を抜かすほど驚くとともに、もはやこいつに何を言っても無駄だと思わざるを得ませんでした。それまで、私は電力社員にも良心的な人間がいて、きっと社内的に声を上げてくれていくだろうと信じてきたのですが、この人間の存在を教えてもらって、そんなことは無意味だ。はかない希望だとよくわかりました。そんなものなのですよ。電力社員は。もはや自浄作用など期待する方が無駄です。

 話がずれました。今回のデモで大飯原発の弱点の一つが浮かび上がりました。反対派が一つのゲートを占領したために経産副大臣が海路を使わざるを得なかったのです。私は東京電力にいたのですが、福島第一、第二ともにいわゆる裏門がありました。非常にわかりにくいところに通常は施錠してありましたが、それでもそんな門があります。当然です。どんな家だって玄関の他に勝手口はありますし、あるいはベランダから外にも出られるようになっています。
 ところが、この大飯原発は陸路が一本ふさがれただけで代替手段は海路のみになります。この一本の道路(かなりの山道です)が土砂崩れなど起きたら、もはや陸からのアクセスは不可能となります。
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地質の専門家のページから
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直感的には断層だらけの奇妙な半島であり、その突端のこれまた不自然な谷筋地形に大飯原発が建てられていると感じます。
本当にこんなに安心安全とは対極の土地での原発再稼動をOKできる人がいるとしたら、私にはとても信じがたいのです。


 さて、このように不安定なところにある大飯原発を再稼動して安全だと信じている人は、政府の役人、政治家、関西電力、地元でつかの間おいしい思いができる人たちだけでしょう。

我々は、万が一に備えて、ヨウ素剤の用意と逃げ方、そしてもしもの時に海外に逃げることができるようにパスポートも持っておかねばなりません。原発が稼働している限り、当然のこと。そして、この国の政府は国民を守る気は一切ありません

各家庭へのヨウ素剤の配布がないのは無責任から
▽ヨウ素剤配布を
「ヨウ素剤は本来なら事故の直後、(放射性物質が煙のように流れる)放射性雲がくる前にの舞といけないが、配布がほとんど行われなかったと聞く。今も地方自治体までで、各家庭には配っていない。何か起きたときに計画を立てて配布するのでは絶対間に合わない。また同じことが起こる。非常に無責任だ。」


 福島が起きたにもかかわらず未だに安全神話にしがみつく政府・電力の姿は旧日本陸軍を彷彿とさせますが、そんな愚痴を言っても始まりません。我々が対処できる方法をとるしかありません。

今回の福島事故でも国民には「ヨウ素剤」を飲む必要はないと言いながら、自分たちはしっかりと飲んでいます。ヨウ素剤−10月まで配布(原発敷地内)

【注意・・以下は計算したらこのようになるという例示であり、イソジン外用薬を内服するように進めているわけではありません。できる限りヨウ化カリウムを入手されておかれることをおすすめします。】

 本当はヨウ化カリウム製剤が望ましいのですが、現在新規に入手することが困難ですから、代替品を探すしかありません。ヨウ素が大量に含まれており、かつ入手容易な商品・・・
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この中にどれだけのヨウ素が含まれているか添付文書から
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10ml で70mg含まれていることがわかります。(以下、私の非公式マニュアルです。自己責任でご自分でお調べになった上でお使いください)

1.予防的内服のタイミング
 重大な放射線汚染が予測される状況で内服を行う。通常は、行政機関がそのタイミングを発表するべきであるが、現体制でははなはだ疑問である。
・原発周りの震度6強の地震
・高さ5メートルを超える津波の発生
の報道を目にした場合は、内服開始することが望ましいと考える(自己責任)
ヨウ素剤を内服することにより甲状腺癌の発癌を予防することができるが、それ以外の被曝を防ぐ効果はない。内服後は、できるだけ被曝を避けられるよう、当該地区から避難する必要がある。(ヨウ素剤の内服はあくまでも一時的な予防に過ぎない)
(参考)
被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム丸」を飲むことによって被曝を阻止できる率は、 下記の通り。
 服用が12時間前=90%
 服用が 直前  =97%
 服用が1時間後=85%
 服用が3時間後=50%

2.服用対象者
 成人、乳幼児、全て(特に年齢制限は設けない)
ただし、以下の者は除外する
•ヨウ素過敏症の既往歴のある者
•造影剤過敏症の既往歴のある者
•低補体性血管炎の既往歴のある者または治療中の者
•ジューリング疱疹状皮膚炎の既往歴のある者または治療中の者

3.服用回数
 安定ヨウ素剤の効果は1日継続すると認められていることから、1日1回の服用で十分である。しかし、内服開始のタイミングは難しいため、2回に分けて内服してもなんら問題無いと考える。

4.服用量
・生後1カ月以上3歳未満  ヨウ素量25mg(ヨウ化カリウム量32.5mg)
・3歳以上13歳未満の者  ヨウ素量38mg(ヨウ化カリウム量50mg)
・13歳以上の者    ヨウ素量76mg(ヨウ化カリウム量100mg)


 おわかりでしょうか。直前に飲むのがもっとも効果的であり、それを逃すと効果が激減します。予防投与が非常に重要だと私は考えます。まあ、大ざっぱに言うと

3歳未満・・・3cc
3-13歳・・・ 5cc
13歳以上・・10cc

となるでしょうか。繰り返しになりますが、あくまでも自己責任でご利用ください。外用薬を皮膚に塗ることによっても吸収され、効果がないとは言えません。

◆関連ブログ
日本の原発立地状況2012年01月03日
各家庭へのヨウ素剤の配布がないのは無責任2011年06月30日
ヨウ素剤−10月まで配布(原発敷地内)2012年02月11日
posted by いんちょう at 21:47 | Comment(7) | 原子力
この記事へのコメント

服用が1時間後でも85%!素晴らしい。
何があっても どうせ本当の事は報道されないのですから 様々な自衛手段を用意しておく必要がありますね。

ところで、去年 地震直後に買った携帯用充電器が見つかりません。イソジンも買ったはずですがどこかに紛れ込んでしまいました。
せっかく用意しても これじゃダメですね。(反省)

Posted by tottoko at 2012年07月02日 23:10
院長先生 こんばんは

ヨウ化カリウムは下のリンクから買えると思います。
海外通販も意外と簡単で、円高の今はちょっとお買い得な感じです。

http://www.iosat.info/order_international.html

大飯再稼動は悔しいですが、原発前の抗議行動には心が打ちのめされました。
再稼動を容認した既存政治家を落選させる刺客を準備しないと、次の選挙でも同じ面子が再選されてしまいます。
維新も橋下の操り人形で、各々自分の意思があるのか疑問ですし、操っている人の言動もなんだか怪しそうです。
Posted by とある読者 at 2012年07月02日 23:50
私も、
最近小野先生と同じことを思っています。
東電・関電
これは、日本の暴力団以上に
悪党です。
この悪党たちが、背広を来て、
かたぎが使うような言葉で、
我々に語りかけてくるので、
尚更具合が悪い。
就職の時、関電はいい会社だから
受験してみれば、と言われたものです。
受験しかくてよかったと思っています。
あそこまで、自社の悪党ぶりを晒されたのに、
よくも、東電・関電の若手は、
会社を辞めないなあ、と思っています。
幹部に何か、辞めれない弱みでも握られているのでしょうか?
いずれにしても、
大きな会社は、必ずしもいい会社ではありません。電力がその例です。
国民の皆さんは、自分達の身を守ると言う
意味においても、彼らの言動に、
以降、警戒しましょう。


> 十二分に怒りを表せたと思います。
このようなことを一般市民にさせておきながら、悪いことをしているとつゆほども感じていない関西電力。どの面下げて、公益企業とうそぶくのでしょうか。地獄の釜のふたを開けておきながら、なんにも感じない、信じられません。一週間でも、フクシマの収束に従事してみろと本当に言いたいです。

日本の電力会社=マフィア

どころか、マフィアはきちんと筋を通しますから、
Posted by ちゃまいえ at 2012年07月02日 23:59
いつも貴重な情報を有難うございます。イソジンは飲むな、と昨年3月の報道で言われていましたが、ないよりはましなんですね。
やられたら最後、専門病院と言われてる所が「気にするな」と治療を拒否しますから、禁止されようが何だろうが自衛手段を行使していた方が悔いが残らないですね、多分。
Posted by yupapa at 2012年07月03日 00:15
院長先生、ありがとう!
万一の時に備えヨウ化カリウム丸を購入したのですが、呑むタイミングがわからずにいました。
さっそく、今日の記事をプリントアウトして冷蔵庫の横に貼りました。
毎回、有意義な記事に感謝しています。



Posted by もずく at 2012年07月03日 00:15
初めまして。素晴らしいブログとご講演にスッキリした思いを感じ多くの方々にお伝えしたいと思いました。
以下は一昨日に首相官邸に送ったメールです。『野田首相へ。「政治生命をかける」「責任において・・」あなたの決まり文句ですね。でも国民の生命や生活の前には、あなたの「政治生命」も「責任」もシャボン玉一つの重さもありません。20年以上前のあなたは青雲の志に燃えていましたね。応援したものでしたが、ここまで 不遜な人間になるとは思いもしませんでした。平和ボケ日本人と言われる一般市民が20万人も官邸に集まる事態に「大きな音だね」とは、まるで仏王妃の逸話のようです。一刻も早く誠意をもって国民の声を聞くべきです。(以前は野田支持者だった船橋市民より) 』
野田首相を国政に送ってしまった船橋市民としての責任において、29日からデモに参加しています。毎週金曜日の首相官邸と7月16日の代々木デモに行く予定です。先生の戦いは素晴らしいですね。最近は公衆衛生ネットワークMLも、原発関連投稿が無くなりました。圧力がかかっているのでしょう。今後とも先生のブログを拝見させて下さいませ。よろしくお願い致します。
Posted by 大谷美津子 at 2012年07月03日 01:24
ヨウ素剤の内服説明、ありがとうございました。このように具体的なものを拝見させて頂いたのは初めてです。子供がいますので、服用量の差も知りたかった情報でした。

常備しておきますがこれが使用される日が来ないことを切に願います。重ね重ね、ありがとうございました。
Posted by Puggy at 2012年07月03日 06:25
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